STARTUPS JOURNALでは2023年、データ分析や起業家らへの取材を通じて国内スタートアップの動きを伝えてきた。
年の終わりに、記事を通じて日本のスタートアップエコシステムを象徴する動きを振り返っていきたい。
今回は、2024年からすぐに使える「学び編」。データ分析を通じたエコシステムの実像から、ファイナンス・組織開発など実用的な知識まで盛りだくさんだ。
2023年のスタートアップエコシステムで急速に注目度を高めたのが、「ベンチャーデット」と呼ばれる調達手法だ。国内でいち早くベンチャーデット特化型ファンドを立ち上げたあおぞら企業投資の久保彰史・代表取締役社長CEOが、基礎的な部分から実際の活用方法までを語ってくれた贅沢な一本。ベンチャーデットで調達を目指すスタートアップ関係者にはぜひ目を通してほしい。
こちらは、ベンチャーデットについて「活用したスタートアップ」側の目線から掘り下げた。環境の変化で資金調達が想定通りに進まない焦りから、ベンチャーデットを知り、調達を実行するまで。コネクテッドロボティクス・村井CSOの目線から再現する。
銀行借入や社債発行による「デットファイナンス(用語解説)」がテーマ。2022年に183億円、23年は130億円をデットファイナンスで調達したタイミーの八木智昭・CFOが、銀行から信頼を勝ち得るまでの具体的な道筋を教えてくれる。大手銀行と証券会社のキャリアを持つ八木氏のアドバイスは、多くの読者にとって参考になるはずだ。
「チャットGPT」を題材にした本が書店に並ぶようになった。大流行の生成系AIを、基礎基本から学び直したい方にお勧めしたい一本。生成系AIを活用した製品を次々と世に送り出しているSpiral.AIの佐々木雄一・CEOに、「今更聞けない」を余すことなく聞いてみた。基礎を理解したあとは、「生成系AIを使いこなす」マインドセットをこちらの記事から吸収してほしい。
上記の「チャットGPT」記事でも扱ったLLM=大規模言語モデル。国内スタートアップでは豊富な資金力を背景に研究開発を開始したり、AIの専門家による起業が始まったりしている...という変化をデータ面から明らかにする。記事終盤の「サービス一覧」はLLMを活用した実際の事業アイデアを知りたい読者の役に立つはずだ。
掲載から半年以上が経っても読まれ続けている記事。国内スタートアップをめぐっては「東京一極集中」との指摘も根強いが、データの側面から実態に迫った。東京が圧倒的な存在感を放っていることは間違いないが、地方にも希望があることを感じてもらえれば幸いだ。
スタートアップのキーワードの一つが「ボーン・グローバル」。少子高齢化・人口減少が避けられない日本では多くの領域で市場が縮小するとみられ、グローバル展開が重要視されつつある。海外展開を目指すならば、組織体制も当然グローバルになる。世界14の国・地域で事業を展開するAnyMind Groupの十河(そごう)宏輔・代表取締役CEOに、「危機に強いグローバル組織」のあり方を聞いた。
スタートアップ企業を立ち上げたいけれど、「本当に重要な情報」が本やネットではなかなか手に入らない...過去にそんな悩みに直面した起業家がAnother worksの大林尚朝(なおとも)氏だ。大林氏は自らの経験から、メディアを通じて「起業の知識」を伝えることに。「創業1年目にやること」を聞いた後編にも目を通して、具体的なイメージを膨らませてほしい。