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見たことがないほど鮮やかな世界へ。STARTUPS JOURNALが生まれた理由【創刊あいさつ】

2023-09-05
高橋史弥 / STARTUP DBアナリスト・編集者
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高橋史弥 / STARTUP DBアナリスト・編集者

スタートアップ情報に特化した経済メディア「STARTUPS JOURNAL」を作りました。

このメディアは、船をかたどったロゴを冠しています。太平洋を横断できるような豪華なものではなく、大波に攫われれば倒れかねない、少し小さな船です。

2023年上半期。国内スタートアップの資金調達額は4,000億円余りと、前の年と比べて3割以上減少しました。主な原因は、アメリカを中心とする世界の中央銀行の利上げにあると言われています。

足元ではスタートアップ企業数も、投資家も、確実に増え続けています。それでも、外的環境の変化にその身を大きく揺さぶられる。まるで、波風たつ海をゆく船のようです。

JOURNAL(ジャーナル)は航海日誌という意味も持ちます。私たちは、日本のスタートアップという船が、時には大波に傾きながらも進んでいく軌跡を、歴史として記録し残します。

これから加わる人を歓迎し、包摂したい

もう一つ、この船には大切な役割を託しています。

それは、スタートアップの世界に足を踏み入れる全ての人を包摂し、中心へ送り出すこと。

スタートアップの多くは非上場企業です。それゆえ情報の多くは未公開で、各企業・領域の動向や資金調達トレンドなどを知るためには強固なネットワークの形成が欠かせません。

とはいえ、出資や事業提携、それに転職などをきっかけとして新たにエコシステムに加わろうとする人たちにとっては、決して簡単な作業ではありません。そもそもスタートアップ関係者が当たり前に使う「エクイティ」や「ランウェイ」などといった用語すら、聞き馴染みがないかもしれません。

スタートアップ育成5か年計画が発表され、スタートアップが国策となった今は、これまで以上に多種多様な背景・技能・課題意識を持つ人をエコシステムに招待するチャンスです。

だからSTARTUPS JOURNALは、これからエコシステムに足を踏み入れようとする人を歓迎し、包摂し、肯定し、自らの色を存分に発揮してもらうための伴走者になりたい。

最初の取り組みとして、スタートアップ用語解説の記事を充実させていきます。「エクイティ」や「ランウェイ」などの用語は記事で使用しますが、解説記事をいつでも参照できるようにします。

また「エンジェル税制」「信託型ストックオプション」など話題の時事用語も、取材に基づいた正確な情報をお届けします。複雑な前提知識がなくても分かる構成を心がけます。

前身のメディアの記事には度々「界隈」という言葉も登場していましたが、閉鎖的な印象を持たせる言葉は使いません(「村」は論外ですね)。

もちろん、プロフェッショナルへの情報提供も強化します。データ分析や資金調達の裏側を深掘りする取材記事、寄稿などもどんどん増えていきます。

記事で100 登録で120のメディア

STARTUPS JOURNALは、機能面でもちょっと変わったメディアです。

このメディアは、STARTUP DBという国内最大級のスタートアップ情報データベースから生まれました。STARTUP DBには無料プランから法人向けの有料サービスまで様々な会員形態がありますが、記事は原則として全文、全ての方に公開します。会員である必要もありません。

その代わり、無料会員に登録いただくと「記事以上」の情報を得られる設計にしました。

無料会員になると、記事に登場するスタートアップの資金調達情報、つまり「いつ・どの投資家から・いくら調達したか」などが見えるようになります。投資家のポートフォリオも閲覧できます。

ニュースメディアは通常、ポータルサイトのように全文を無料公開するか、大手新聞社のように有料会員のみ閲覧可能とするかの二つに分かれます。0か100かです。

これに対しSTARTUPS JOURNALは、会員登録で記事プラスアルファの情報を入手できる「100か120か」のモデルを採用しています。

記事の情報だけでも皆様を満足させてみせますが、登場するスタートアップや投資家を詳しく知ってビジネスや転職に役立てたい読者の方々に、より大きな価値を提供できるはずです。

(無料の会員登録はこちらから。記事の更新通知も届きます)

遅いコミュニケーションが良い

STARTUPS JOURNALが生まれた2023年は、テキストベースの経済メディアにとって逆風が吹いています。

文字が並んでいる記事は読みづらく敬遠されがちで、短い動画で理解したいというニーズが顕在化しています。どのニュースを読むかも自分では選ばず、AIの「おすすめ」に従うのが普通です。

これらが素晴らしい発明であることは市場が証明しています。メディア業界で長く暮らした身として、今さら文字ありきのメディアを作ることに対する迷いも正直、ありました。

それでも立ち上げを決意しました。時代遅れかもしれないけれど、スタートアップの歴史を残し、新たな挑戦者を包摂するために、人の手で作った遅いコミュニケーションが必要だと思ったからです。

国内のエコシステムは、さながら手持ちの絵の具を全部ぶちまけたパレットのよう。この世界にもっとたくさんの色が加わって、見たことがないほど鮮やかになればいい。そして、色たちが混ざり合っても、誰かが決めた一色にならず、それぞれの色のまま輝き続ければいい。

STARTUPS JOURNALは、そんなうねりを起こしながら進んでいきます。ぜひ、この刺激的な旅をご一緒しましょう。

STARTUPS JOURNAL 創刊編集長 高橋史弥

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