採用に強い組織づくりをテーマにしたセミナーが都内で開かれ、スタートアップの採用実務に携わる経営幹部らが意見を交わした。
このセミナーはスタートアップエコシステム協会(SEAJ)が主催したもので、12回連続で開かれる研究プロジェクトの第4回目。「採用に強い組織のカルチャーや施策とは」をテーマに、魅力的な人材を採用するための組織のあり方などついて話し合った。
セミナーでは、▽採用候補者の“見極め”と“アトラクト”ではマインドシェアの割合はどちらが高いかや、▽ハイタレントの採用は人事の仕事なのかといった4つのテーマが示された。
このうち見極めとアトラクトの比重について、GOの荒川亮・ヒューマンリソース本部人材開発部長は「見極めを軽んじているわけではない」と前置きしつつ、「興味を持って頂くのが始まりだと考えているため、初期段階ではアトラクトを重要視しています」と回答した。
GOはタクシー配車アプリを手がける2社の統合によって生まれた。4つのテーマを作成したフォースタートアップスの恒田有希子・常務取締役タレントエージェンシー本部長がこの経緯を踏まえ「アトラクトは誰が担っているのか」 と尋ねると、荒川氏は「合併当初は統一したメッセージを出さないと採用の軸がブレてしまう。そのため最初のフェーズから面接の場に社長を出すこともあった」 と明かした。
ハイタレントの採用は誰が責任を持つべきかというテーマついては、Notion Labs Japanの西勝清・ゼネラルマネジャーが「個人的な感覚」として「担当マネージャーの責任が9割くらいという感覚です」とコメント。「自分のチームメンバーを選ぶことの責任であり、あくまで人事はシェアとサポートをしているという感じです」と明かした。
セミナーの後半では質疑応答の時間も設けられ、参加者からは「とても良い人がいたとして、ポジションが空いていない場合にはどう対応しているか」という質問が挙がった。
これに対しGOの荒川氏は「よくあるケース。毎回は難しいとしても、ポジションを作ってでも欲しい方であれば現場とすり合わせます」と回答。 Notion Labs Japanの西氏は「アメリカの企業では(ポジション)空いていないのに採用するということは基本的にはありません」としたうえで、「必ず採用したいタイミングが来る。『今回はマッチしなかったとしても、人事とすり合わせをしながらやりとりを続けましょう』となります 」とコメントした。
次回のテーマは「ポテンシャルを引き出し、キャリアを形成する人員配置やアサイン」だ。