限定レポート

【2024年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

2024-08-07
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

「スタートアップ育成5か年計画」が政府から発表されたのは2022年11月28日のことである。

日本経済を覆う低迷ムードを打破する起爆剤として「戦後の創業期に次ぐ、第二の創業ブームを実現」するだけでなく、日本を「世界有数のスタートアップの集積地」にすると銘打った野心的な計画だ。スタートアップが国策に位置付けられたことを明確に告げるものだった。

その「5か年」のうち、1年半が過ぎた。

計画は「スタートアップ投資額10兆円」の目標を掲げた。これに対し、2024年上半期の資金調達額は速報値ベースで3,725億円。年間1兆円を割り込むペースである。スタートアップ10万社の創出も計画に盛り込まれた。STARTUP DBの統計では、国内スタートアップは現在24,000社程度だ。数値目標だけで捉えてしまえば、理想と現実の距離はまだ遠い。

言うまでもなく、5か年計画は日本のエコシステムに未曾有の変化をもたらしている。様々なスタートアップ関連税制の改正は更なる投資を促し、M&Aの活性化を後押しする。SBIR(Small Business Innovation Research / 解説記事)を始めとする公的支援の強化は、研究開発型スタートアップの社会実装を加速させると期待される。

日本のスタートアップエコシステムに残された課題は何か。世界経済の不確実性が拭えない今、光となり得る分野はどこか。5か年計画が描いた未来へ繋がる進路はどれか。

本レポートは、調達形態やセクターなど複数の切り口から国内スタートアップを取り巻く資金調達環境を分析した。スタートアップ投資に積極的な投資家や、EXIT事例なども整理した。今回からアメリカのデータを追加した。世界と日本を比較することで、国内エコシステムの強みや課題を掴むためだ。

今や、スタートアップは国策だ。この機運を一過性のものとせず、チャンスを結果に変えるために。本レポートはデータの側面から貢献を試みるものである。

資金調達金額・資金調達実施社数

2024年の資金調達金額は、速報値ベースで3,725億円。これは新株を発行するエクイティファイナンスだけでなく、金融機関からの借入などを指すデットファイナンス、それにクラウドファンディングなど複数の資金調達手法の総額だ。
また、データ集計時点の速報値であり、今後新たな調達の判明などにより金額は上昇する。確定値は4,249億円程度になるとみられている。2023年上半期(4,570億円)よりも300億円余り、同下半期より800億円以上減少する見込みとなった。

スタートアップの資金調達金額は新型コロナウイルスの流行に対する金融緩和などを背景に一気に拡大し、2021年・22年の両年には年間調達額が1兆2,000億円を超えた。しかしその後、アメリカを中心とする世界の中央銀行の利上げやロシアによるウクライナ侵攻に端を発した世界経済の不安定化などの煽りを受け、調達環境は冷え込んだ。2024年上半期の数字は、こうした流れを忠実に反映した数字といえる。

資金調達の実施社数は速報値で1,216社。こちらも速報値であり、データ更新に伴って1,624社程度に増加すると見込まれる。資金調達金額自体は微減したものの調達社数が増える背景には、1回あたりの調達金額が相対的に低い「シード」「アーリー」と呼ばれる創業からサービスリリース直後のスタートアップの調達が盛んとみられることがある。

本レポートはこうした資金調達の概況だけでなく、大型のファイナンスを実行したスタートアップの分析やIPO・M&Aイグジットの情報などを網羅している。

レポートの目次

1:はじめに
2:資金調達金額・資金調達実施社数
3:エクイティ及びその他の資金調達概況
4:シリーズ別の資金調達金額
5:資金調達金額の分布・平均値・中央値の推移
6:評価額ランキング
7:資金調達ランキング
8:トピック
9:投資社数ランキング
10:属性別の投資社数推移
11:海外投資家による投資件数推移
12:スタートアップの従業員数
13:インダストリー別資金調達金額・社数推移
14:IPO と M&A 件数推移
15:大学発資金調達金額・社数推移
16:終わりに

このような方におすすめ

・CVCなど、事業会社で投資担当をしている
・2023年上半期に大型資金調達をした企業を知りたい
・国内の最新スタートアップ動向を知りたい
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▼開催概要

開催日時:2024年8月21日(水)12:30~14:00
参加料:無料
参加方法:オンライン視聴
主催:フォースタートアップス株式会社(STARTUP DB)
※競合企業様などのご参加をお断りする場合がございます。予めご了承くださいませ。
※動画視聴方法につきましては、お申し込みいただいた方へのみご案内させていただきます。

▼登壇者プロフィール

株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
代表パートナー 今野 穣

2006年グロービス・キャピタル・パートナーズ入社、2012年同社パートナー就任、2013年最高執行責任者就任、2019年同社代表パートナーに就任。同社は、国内向け独立系ベンチャーキャピタルとして最大規模の累積1,100億円を運用。主なトラックレコードは、Visional(旧ビズリーチ)、Yappli、クリーマ、アカツキ、ブイキューブ、ライフネット生命保険、Quipper、キラメックス。主な投資担当先は、スマートニュース、アンドパッド、READYFOR、akippa、アグリメディア、FLYWHEEL、リノベる。、tebiki、セイビー、TERASS、ナレッジワークなど。2021年日本ベンチャーキャピタル協会理事就任(現任)、2024年同協会ナレッジ部会部会長就任(現任)。東京大学工学部非常勤講師(現任)。同社以前は、経営コンサルティング会社(現PwC)にて、プロジェクトマネジャーを歴任。東京大学法学部卒。

インキュベイトファンド
代表パートナー 村田 祐介

2003年にエヌ・アイ・エフベンチャーズ株式会社(現:大和企業投資株式会社)入社。主にネット系スタートアップの投資業務及びファンド組成管理業務に従事。2010年にインキュベイトファンド設立、代表パートナー就任。2015年より一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会企画部長を兼務。その他ファンドエコシステム委員会委員長やLPリレーション部会部会長等を歴任。2023年同協会理事就任。

フォースタートアップス株式会社
代表取締役
志水雄一郎

慶應義塾大学環境情報学部卒業、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)にて転職サイト「DODA」(現doda)立ち上げなどを経て、2016年に株式会社ネットジンザイバンク(現フォースタートアップス株式会社)を創業、代表取締役社長に就任。2014-15年「Japan Headhunter Awards」にて「Headhunter of The Year」2年連続受賞、2016年に国内初「殿堂」入りHeadhunter認定。2019年より日本ベンチャーキャピタル協会ベンチャーエコシステム委員会委員、2020年より経団連スタートアップ委員会企画部会/スタートアップ政策タスクフォース委員に就任。2021年に公益社団法人経済同友会入会。2022年に一般社団法人関西経済同友会に入会。2023年『スタートアップで働く』(ディスカバー・トゥエンティワン)を出版。

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