2025年4月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
ブロックチェーンファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」を運営するGaudiyは、総額91億5,000万円を調達しトップに立った。
深層学習・AIワークロード向けのクラウドサービス「Preferred Computing Platform™(PFCP™)」などを提供する東京大学発のPreferred Networks、シリーズDラウンドで50億円を調達し2位に続いた。
2025年4月の資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。
1位はブロックチェーンファンプラットフォームを運営するGaudiyで、総額91億5,000万円を調達した。
今回の資金調達は、エンターテインメントとテクノロジーを融合させた「ファン国家」の創出を目指すGaudiyの事業拡大の一環とされている。調達した資金は、既存事業への大型投資や新規事業の創出、M&Aの強化に加えて、海外拠点の拡充、Web3やAI分野における研究開発、国内外の技術者採用などに活用していくという。また、社会事業や教育事業への投資も視野に入れている。
同社は今後、参画企業との連携を深めながら、Web3・エンタメ業界における新たな価値創出を進め、国境を越えて支持されるグローバルサービスの実現を目指していくとしている。
2位は深層学習・AIワークロード向けのクラウドサービス「Preferred Computing Platform™(PFCP™)」などを提供する東京大学発のPreferred Networksで、シリーズDラウンドで50億円を調達した。今回の調達により、累計資金調達額は240億円となる。
同社は、生成AIやAI半導体などの開発に注力する垂直統合型の技術企業であり、今回調達した資金は、競争力あるAI技術の研究・実装をさらに加速するために活用していくという。特に、出版・映像業界との連携を通じて、AI技術をコンテンツ制作や制作プロセスに応用する取り組みも進めているようだ。さらに、三井住友信託銀行からは「インパクトエクイティ投資」として出資を受け、社会的な価値創出にも期待が寄せられている。
今後、生成AIの社会実装を推進しながら、電力消費の抑制といった環境課題にも貢献していく姿勢を示している。また、AI半導体や計算基盤の内製化を進めることで、日本発の革新的技術を世界に向けて発信し、より持続可能で創造的な社会の実現を目指していくとされている。
3位は太陽光発電システムの第三者所有サービス「シェアでんき」を運営するシェアリングエネルギーで、「シェアでんき」を裏付資産としたプロジェクトボンドを通じて40億7,000万円の資金調達を実施した。
今回のプロジェクトボンドは、ゴールドマン・サックス証券がアレンジャーを務め、格付投資情報センターからBBB評価を取得した信託型スキームを採用している。導入対象は4,200件規模の「シェアでんき」設備で、これによりシェアリングエネルギーの累計資金調達額は209億円に達した。今後も初期費用無料というモデルを武器に、電力コストの削減やエネルギー自給の実現を求める家庭向けに、太陽光の普及を拡大させていく構えだ。
今後、自治体による太陽光設置義務化などの政策環境を追い風に、再生可能エネルギーのさらなる普及と自社サービスの拡張を進めていくと見られる。「分散電源の創出によるエネルギーシステムの変革」というビジョンのもと、「シェアでんき」シリーズの拡充やエネルギーマネジメント領域への展開を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。