ランキングレポート

国内スタートアップ資金調達ランキング(2025年10月)

2025-11-07
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

越境ECサイト「omakase」のforestは、シリーズBラウンドにて32億4,000万円(プレスリリースで発表された60億円から、登記簿で公表された調達金額を抜いた額)を調達しトップに立った。


国際物流DXにおけるプラットフォームサービス「Shippio Platform」を提供するShippio、シリーズCラウンドで22億7,000万円(プレスリリースで発表された32億4,000万円から、登記簿で公表された調達金額を抜いた額)を調達し2位に続いた。

2025年10月の資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。

1位は越境ECサイト「omakase」を運営するforestで、シリーズBラウンドにて、32億4,000万円を調達した。(プレスリリースで発表された60億円から、登記簿で公表された調達金額を抜いた額)

forestは「日本のモノを育み、世界を彩る」をミッションに、Eコマース領域でのブランド承継・再成長を推進。これまでに地方企業や米国企業を含む21件の事業承継型M&Aを実施し、デザイン・物流・マーケティング・カスタマーサポートまで一貫した運営体制を構築している。

今回の調達資金はM&Aによるブランド承継、データインフラ強化、越境ECの推進、リテールテック事業の拡大に活用される。日本の高品質なブランドを世界市場へ展開することで、持続可能なリテール産業の発展を目指す。

2位は国際物流プラットフォーム「Shippio」を運営するShippioで、シリーズCラウンドにて22億7,000万円を調達した。(プレスリリースで発表された32億4,000万円から、登記簿で公表された調達金額を抜いた額)

Shippioは、「国際物流を、アドバンストに」をビジョンに掲げ、輸出入手続きや通関、貨物トラッキング、書類管理などを一元化するクラウド型プラットフォーム「Shippio Platform」を提供している。メーカー・商社・物流事業者を中心に導入が進み、シリーズB以降の3年間でネットレベニュー約20倍、取扱コンテナ数約35倍、ユーザー数約8倍と急成長を遂げた。

今回の調達資金は、AI通関クラウド「Shippio Clear」を含むプロダクト開発、M&Aによる事業拡大、組織強化に充てられる。

今後は、現場知見とテクノロジーを融合させ、国際物流領域のプラットフォーマーとして、貿易・物流産業全体の構造変革を牽引していく方針だ。

3位はゲノム編集技術などを使った魚介類の品種改良を研究するリージョナルフィッシュで、プレシリーズDラウンドにて19億6,000万円を調達した。

リージョナルフィッシュは、「いま地球に、いま人類に、必要な魚を。」を掲げ、ゲノム編集などの先端技術を活用して高温耐性や高成長性を持つ新品種魚の開発・量産を進めている。創業5年で約90の企業・大学・自治体と連携し、オールジャパン体制で品種改良事業を推進。これまでに成長速度が速く可食部が大きい魚や、地球温暖化にも対応できる高温耐性魚の開発に成功している。

調達資金は、新品種の研究開発と量産化、海外拠点設立を通じたグローバル展開、専門人材の採用に充てられる。

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。

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