2025年8月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
EV充電インフラ事業を展開するTerra Charge、シリーズDラウンドで104億円を調達しトップに立った。
レベル4自動運転トラックによる幹線輸送を実現するT2、プレシリーズBラウンドで47億5,000万円を調達し2位に続いた。
2025年8月の資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。
1位はEV充電インフラ事業を展開するTerra Chargeで、シリーズDラウンドで104億円を調達した。累計調達額は261億4,000万円に達した。
企業・自治体向けにEV充電器の設置・運用を一気通貫で提供し、ユーザーにはアプリ「Terra Charge」を通じて充電利用・決済サービスを展開するスタートアップ。2022年の事業立ち上げ以降、国内の設置数は1.5万口を突破し、急成長を遂げている。
政府が掲げる「2030年までに30万口」という目標に向けて、EV充電インフラの整備は喫緊の課題となっている中、同社は今回の資金を活用し、充電インフラ網の拡充やサービス開発、海外展開、採用・組織強化に投資する。日本のEV普及を下支えする基盤整備を進めつつ、グローバルでの事業展開も加速させる方針だそう。
2位はレベル4自動運転トラックの開発を手掛けるT2で、プレシリーズBラウンドで47億5,000万円を調達し、累計調達額は110億円を超えた。
T2は、2022年の設立以来、深刻化するドライバー不足や「2024年問題」を背景に、ドライバーの乗車を必要としないレベル4自動運転トラックによる幹線輸送の実現を目指すスタートアップ。これまでにプレシリーズAおよびシリーズAで累計60億7,000万円を調達しており、今回新たに9社を引受先としたエクイティファイナンスにより資金を確保した。
同社は2025年7月からレベル2自動運転トラックによる商用運行を開始しており、今回の資金調達をもとにその本格化を進めるとともに、2027年を目標とするレベル4自動運転トラックの社会実装に向けた開発を加速する。物流業界が抱える人足や輸送効率化といった構造的課題の解決を目指す方針だそう。
3位はエッジ向けの省電力AIプロセッサを開発するEDGECORTIXで、シリーズBラウンドにおいて35億6,000万円を調達し、累計調達額が150億円(1億米ドル)に到達した。
2019年に設立された同社は、東京に本社を構え、米国・インドにも拠点を持つファブレス半導体スタートアップ。エッジでの生成AI処理に特化した「SAKURA」シリーズのAIコプロセッサを展開し、産業オートメーション、防衛、航空宇宙、スマートシティ、通信など多様な分野で活用されている。
調達資金は、複数業界で導入実績を持つ「SAKURA-II」の量産加速や、最大2,000TOPSの性能を実現する次世代チップレットプラットフォーム「SAKURA-X」の開発・量産化に充当する。生成AIを含む高性能AIシステムの処理効率化と普及を推進し、グローバル市場での成長を加速する方針だそう。