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スタートアップの祭典「Slush Tokyo」を新CEOとCOOが語る

2019-01-29
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部
挑戦する日本人を増やしたい。新しいCEOとCOOが語る、スタートアップの祭典「Slush Tokyo」

スタートアップの祭典、世界中で開催されているテックイベント「Slush(スラッシュ)」。

日本では「Slush Tokyo」として開催されており、国内外の起業家や投資家、学生が参加しネットワークを築きあげている。

そんな「Slush Tokyo」を運営するチームが、2019年から新しいCEOとCOOを中心に活動していくと発表した。元CEOのAntti Sonninen氏は今後もチームのサポートをしていくが、一新されたチームがこれからどんなイベントに成長させていくのか注目が集まっている。

新しくCEOとCOOに任命された古川氏と柿嶋氏に、今後どのようにイベントを盛り上げていくのか話を聞いた。

Slush Tokyo のCEOとCOOになるまでの経緯

Slush Tokyo のCEOとCOO

2019年からCEOとCOOとしてチームを引っ張っていく2人だが、Slushに関わったきっかけは2人とも友人からの誘いだった。

Slush Tokyo のCEOとCOO

古川 「私は大学の友達にボランティアとして誘われたんですが、サイトが英語だったのでよく読みもせず、クラブイベントだと思って軽いノリで参加を決めたんです。結局初めての顔合わせの時もクラブイベントだと思ってた私は、一人だけヒールにタイトスカートみたいな格好で浮いてましたね。ボランティアで初参加した時、ゲストとして登壇していたのが、コロプラの共同創業者・千葉功太郎さんなんですけど、数年前にマンションの1室から始めたという会社がものすごく大きくなっていることに驚いたんです。当時日本の就活のシステムに違和感を感じていた私に、自分で会社を立ち上げるっていう選択肢もあることを気づかせてくれました」

Slush Tokyo のCEOとCOO

柿嶋 「私は高校時代から起業に興味があって、高校生のビジネスコンテストに出場したり、その後運営などにも携わっていました。そのイベントにゲストとして呼んだのが元CEOのAnttiでした。 AnttiはそこでなぜSlushというイベントを始めたのか話してくれて、それが私がSlushを知る最初の機会になったんです。その後、スタートアップ界隈からは一度離れて大学に入ってデザインや建築を勉強します。そうしたら、当時Slushの会場デザインを担当していたカナダ人のデザイナーに誘われ、Slushの会場造り・デザイナーのサポートとしてチームに加わったのが始まりです」

数年間、チームのメンバーとしてイベント運営の経験を積んできた2人。自分でも起業のチャンスを狙いつつも、運営側でいることには彼女たちにとって大きな意味があるという。

古川 「私たちはスタートアップ向けのコンテンツを一番身近で見ていて、最初の頃は自分たちもああなりたいと思っていました。ただ、すごい熱量のあるスタートアップ経営者のピッチを何度もみるうちに、もしかしたら自分には起業は無理かもと迷うこともあって。マインドをチェンジさせたんです。闇雲に起業を目指すのはなく、自分が好きで自分にしかできないことをやろって。  そうしたら、起業以外にも選択肢はあるなって思ったんです。スラッシュはずっといるところではないと思ってて、だからこそ今スラッシュでできることをやっていきたいんです」

スタートアップのかっこよさを伝えるSlush Tokyo

2016年から運営チームにジョインしている彼女たちにとって、Slush Tokyoはスタートアップがかっこいいことを伝えるイベントだという。他のスタートアップ系のイベントとの違いは今の仕事や国籍、性別、に関わらずすべての参加者のマインドセットを変え、次のイノベーター達を生み出すことを目的にしている点だ。

2016年から運営チームにジョインしている彼女たちにとって、Slush Tokyoはスタートアップがかっこいいことを伝えるイベントだという。他のスタートアップ系のイベントとの違いは今の仕事や国籍、性別、に関わらずすべての参加者のマインドセットを変え、次のイノベーター達を生み出すことを目的にしている点だ。

柿嶋 「スタートアップのイベントは多いですが、そのほとんどがマッチングを目的にしています。Slush Tokyoでも投資家や起業家のマッチングは行うんですが、一番の目的は参加者のマインドセットを作っていくことです。 『こんな挑戦をしている人がいる、自分にもできるかも』って思ってもらうことで、チャレンジする人を増やしていきたいと思っています。Slush Tokyoはすべてが英語なので、会場で他の参加者と話すだけでもチャレンジになる人もいると思います」

海外の投資家や起業家も数多く参加するSlush Tokyo。グローバルな視点からは日本のスタートアップはどのように見えているのかも聞いてみた。

古川 「海外の起業家たちは『日本人は日本人でかたまるよね』と口を揃えて言います。外からのチャンスを逃していると。でもスタートアップ界隈にいるとそんな人ばかりじゃないことがわかりますし、それを伝えられないのが悔しいです。そんな日本のイメージをSlush Tokyoを通して変えていきたいと思っています。 逆に日本人の技術力や細かいところまでこだわるところはとても評価されているんです。それでも、やっぱり日本国内の枠で収まってしまいがちだとは感じます。日本は市場規模があるので、日本のマーケットだけでもある程度成功できてしまうんです。 でも日本の市場だけで満足するんじゃなく、世界を舞台に戦えるスタートアップをもっと増やすのがSlush Tokyoの目標でもあります」

2019のテーマ「Call for Action」の真意とは

Slush Tokyoには毎年テーマがあるが、2019年のテーマは「Call for  Action」。2018年のテーマだった「Breaking Barriers」に続くその真意とは何か、そして舵取りが変わることでイベントがどう変わるのか二人が語ってくれた。

Slush Tokyoには毎年テーマがあるが、2019年のテーマは「Call for  Action」。2018年のテーマだった「Breaking Barriers」に続くその真意とは何か、そして舵取りが変わることでイベントがどう変わるのか二人が語ってくれた。

柿嶋 「2018年は自分だけでなく周りの人との関係性や文化にあるカラやバリアを打ち破ることがテーマでしたが、2019年は『カラを破ったあなたが何をしますか?』と問いたいんです。何度も話し合いを重ねていくなかで、カラを破って、考えを整理している人は増えた気がするけど、実際にアクションを起こしている人というのは少ないよねってなって。  Slush Tokyoはホテルでかしこまって行うイベントではないので、イベント中のアドレナリンが出ている間にチャレンジする瞬間を作っていきたいと思っています。招待制にして専門家たちが集まって難しい話をしているのではなく、世界に対してオープンにすることで誰もがフラットに集まって楽しめるように、チャレンジのハードルを下げていきたいと思います」

古川 「これまでの4年間で、スタートアップ界隈の様子は変わってきています。なので、『今』のスタートアップのニーズに合ったコンテンツにしていきたいと思っています。例えばマッチングの面で言うと、これまではスタートアップと投資家のマッチングがメインでしたが、そのマッチングの幅を最大限広げていきたいですね。もっと大企業とか学生とかを巻き込んで。  これまでもSlush Tokyoで就職活動や採用活動が局所的には行われていたんですが、もっと大体的に行っていくコンテンツも加えていく予定です。まだ具体的な内容は固まっていませんが、オンラインとオフラインを組み合わせて動けるように調整していく予定です」

挑戦する日本人を増やしたい

 挑戦する日本人を増やしたい

インタビューの最後に、CEOとCOOに就任してみて伝えたいメッセージを聞いてみた。

柿嶋 「日本人であることを誇りに持ちたいってことですね。それは日本しか知らなくていいってことじゃなく、世界を見た上で日本人としての誇りを持てるように。グローバルな視点を持ちながら、日本人として世界のどのポジションにいるか考えながら活動していきたいですね」

古川 「やりたいことがあったら挑戦する国民性にしていきたいです。子供のときってワクワクすることがあったら、意識しなくてもやってみたと思うんですけど、それを大人になっても変わらずやっていくような。多分大人になるにつれて、周りから『違うよ』って言われて手を挙げられなくなる人も多いと思うんです。   そんな時も失敗をネガティブに捉えないで、失敗したことを面白さに変えてチャレンジし続けていきたいし、自分を見てそんな人が増えればいいなって思います。そうやって成功体験を重ねていけば失敗が怖くなくなるし、チャンスを引き寄せていけると思います」

執筆:鈴木光平 取材・編集:BrightLogg,inc. 撮影:戸谷信博

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