ランキングレポート

国内スタートアップ資金調達ランキング(2025年7月)

2025-08-12
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

2025年7月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。

小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の開発を行うインターステラテクノロジズは、シリーズFラウンドにて89億円を調達しトップに立った。
「空飛ぶクルマ」の開発を行うSkyDrive、プレシリーズDラウンドで83億円を調達し2位に続いた。

2025年7月の資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。

1位は小型人工衛星打上げロケット「ZERO」の開発を行うインターステラテクノロジズで、シリーズFラウンドにて、65億円の第三者割当増資および24億円の融資により89億円を調達した。

小型人工衛星打上げロケット「ZERO」や観測ロケット「MOMO」の開発を手掛けるスタートアップ。

同社は、国内初のロケット事業と通信衛星事業を垂直統合で展開する宇宙インフラ企業を目指しており、小型人工衛星専用ロケット「ZERO」の開発に加え、ロケットの高頻度打上げを可能にする工業製品化への構造転換に取り組んでいる。ロケット輸送の効率化だけでなく、自社保有のロケットを活かして優位性を発揮できる通信衛星事業にも注力しており、JAXAや総務省の支援を活用しながら開発を推進している。宇宙輸送・通信・インフラに関わる主要領域において、ロケット・人工衛星・宇宙輸送・衛星通信といった宇宙領域の中核技術を網羅している点が特徴である。

今後は、ロケット「ZERO」の開発・製造や人工衛星の研究開発を加速し、宇宙の総合インフラ企業への進化を目指す方針だそう。

2位は「空飛ぶクルマ」の開発を行うSkyDriveで、プレシリーズDラウンドで83億円を調達した。これにより、累計資金調達額は430億円超となったそう。

「空飛ぶ車」は、3人乗りの機体を中心に垂直離着陸型の航空モビリティとして開発されており、EV・電気自動車や空飛ぶ車といったニューモビリティ領域における高度な技術力が特徴だ。スズキと提携した製造や、国内外でのプレオーダー380機超の実績を持ち、官民連携による社会実装も進めている。

今回の調達を通して、開発チームのさらなる増強・各種試験のインフラや環境整備・組織基盤の強化などを進め、開発・証明活動を加速させていくそう。

3位は次世代のリーガルテックプラットフォーム「LegalOn:World Leading Legal AI」を提供するLegalOn Technologiesで、シリーズEラウンドにおいて71億4,000万円を調達した。創業以来の全資金調達ラウンドの総額は286億円に達したという。

「LegalOn: World Leading Legal AI」は、法務業務を効率化するAIエージェントを搭載し、契約書のレビューやドラフト、法務相談を自動で支援するプロダクトである。生成AIや大規模言語モデル(LLM)、自然言語処理などのAI技術を活用し、弁護士の知見をもとにしたナレッジや外部データと連携して処理する点が特徴である。2025年時点で、国内上場企業の25%以上やFortune500掲載の日本企業の87%を含む7,000社以上が導入しており、業務効率10倍を目指したAIエージェントの自社開発にも取り組んでいる。

今後はAIエージェントの開発強化やグローバル展開の加速を図る方針だ。

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。

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