限定レポート

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

2025-07-30
STARTUPS JOURNAL編集部
Editor
STARTUPS JOURNAL編集部

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。

2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。
米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。

こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。

また、EXITの動きをみると、IPO件数は低調な状態が続いているが、買収件数が増加傾向となった。
引き続き、M&Aの活況に注目が集まっている。

本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。

調達環境について

2025年上半期のスタートアップ資金調達金額は、速報値で3,810億円(前年同期比26.2%減)、予測値では4,711億円となっている。本データは、新株発行によるエクイティファイナンスに加え、融資・社債といったデットファイナンス、さらに補助金やクラウドファンディングなど複数の調達手法を含む合計値に基づいている。

また、調達社数は速報値で1,209社(同24.7%減)、予測値で1,469社となり、金額・社数ともに前年から大きな回復は見られていない状況だ。

近年では、資金調達に成功する企業と、難航する企業で「二極化」が一段と進み、投資家による選別がより厳格化している。実際、100億円規模の大型調達案件は前期から減少傾向にあり、2025年通年の調達総額は、下半期にどれだけ大型案件が登場するかによって大きく左右される。

EXIT環境について

25年上半期のIPO件数は21件となり、金利上昇やマクロ経済環境の不透明感により、近年のIPO市場は引き続き冷え込んでいる。さらに、25年3月に発表された東証グロース市場の上場維持基準の見直しが、実質的に上場基準の引き上げに繋がっており、上場是非の判断を慎重にする要因となっている。こうした環境を踏まえると、下半期においてもIPO件数の停滞が続く可能性が高いと予測される。

一方、買収件数は25年上半期で92件に達し、引き続き高水準を維持している。
近年、スタートアップの間でM&Aを明確なEXIT戦略として捉える動きが広がっている。買い手は大企業にとどまらず、成長の著しいスタートアップが買う側に回ることで、さらなる競争力を獲得し、非連続的な成長機会を得ようとするケースも増加している。今後は、これまで上場を主要な目標としていたスタートアップにおいても、上場維持基準の改定を背景に、ミドル期の前からM&Aを視野に入れる動きが一層加速すると見込まれる。

本レポートはこうした資金調達の概況だけでなく、大型のファイナンスを実行したスタートアップの分析やIPO・M&Aイグジットの情報などを網羅している。

レポートの目次

資金調達概況

  • 1-1. 国内 全体資金調達概況
  • 1-2. US 全体資金調達概況
  • 1-3. 資金調達金額の分布 / 平均値・中央値の推移
  • 1-4. エクイティおよびその他の資金調達概況
  • 1-5. 国内 シリーズ別資金調達概況
  • 1-6. 国内 設立~シード・シード~シリーズAへの転換率
  • 1-7. US ステージ別資金調達概況
  • 1-8. US シード・シリーズAへの転換率
  • 1-9. 国内 セクター別資金調達概況
  • 1-10. 国内 セクター別従業員数
  • 1-11. 都道府県別資金調達概況
  • 1-12. 大学発資金調達概況
  • 1-13. 資金調達・評価額ランキング

投資家概況

  • 2-1. 投資社数ランキング
  • 2-2. 投資社数・件数推移
  • 2-3. ファンド組成本数推移

EXIT 概況

  • 3-1. EXIT概況
  • 3-2. 買収元属性別社数推移
  • 3-3. IPO・買収事例
  • 3-4. 買収額・平均値/中央値・マルチプル推移
  • 3-5. セクター別買収概況
  • 3-6. 上場スタートアップの全体動向

事業会社・CVCとスタートアップの協業実態アンケート調査

  • 4-1. 投資家向けアンケート
  • 4-2. スタートアップ向けアンケート

最先端で活躍のVCが徹底解説 無料セミナーは8月6日

東証グロース市場の上場維持基準を上場5年経過後に時価総額100億円以上に変更するなど、2025年上半期は大きな変化がありました。

今回はそのような影響を受けて、スタートアップのエコシステムはどのような変化が起きているのか。
データだけでは見えないマーケットの変化を、最先端で活躍するVCお二人にご解説を頂きます。

スタートアップの"今"と"今後の展望"を「最速」で読み解き、質問もできる1時間半です。

▼このような方におすすめ

・CVCなど、事業会社で投資担当をしている
・国内の最新スタートアップ動向を知りたい
・ファンド、投資家、産学連携など成長産業における最新動向を網羅したい
・今、勢いのあるスタートアップを見つけたい
・IPOやM&A、事業提携などの傾向を知って、自社に活用したい

▼開催概要

開催日時:2025年8月6日(水)18:00~19:30
参加料:無料
参加方法:オンライン視聴
主催:フォースタートアップス株式会社(STARTUP DB)
※競合企業様などのご参加をお断りする場合がございます。予めご了承くださいませ。
※動画視聴方法につきましては、お申し込みいただいた方へのみご案内させていただきます。

▼登壇者プロフィール

株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ
代表パートナー 今野 穣

2006年グロービス・キャピタル・パートナーズ入社、2012年同社パートナー就任、2013年最高執行責任者就任、2019年同社代表パートナーに就任。同社は、国内向け独立系ベンチャーキャピタルとして最大規模の累積1,100億円を運用。主なトラックレコードは、Visional(旧ビズリーチ)、Yappli、クリーマ、アカツキ、ブイキューブ、ライフネット生命保険、Quipper、キラメックス。主な投資担当先は、スマートニュース、アンドパッド、READYFOR、akippa、アグリメディア、FLYWHEEL、リノベる。、tebiki、セイビー、TERASS、ナレッジワークなど。2021年日本ベンチャーキャピタル協会理事就任(現任)、2024年同協会ナレッジ部会部会長就任(現任)。東京大学工学部非常勤講師(現任)。同社以前は、経営コンサルティング会社(現PwC)にて、プロジェクトマネジャーを歴任。東京大学法学部卒。

インキュベイトファンド
代表パートナー 村田 祐介

2003年にエヌ・アイ・エフベンチャーズ株式会社(現:大和企業投資株式会社)入社。主にネット系スタートアップの投資業務及びファンド組成管理業務に従事。2010年にインキュベイトファンド設立、代表パートナー就任。2015年より一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会企画部長を兼務。その他ファンドエコシステム委員会委員長やLPリレーション部会部会長等を歴任。2023年同協会理事就任。

フォースタートアップス株式会社
代表取締役
志水雄一郎

慶應義塾大学環境情報学部卒業、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)にて転職サイト「DODA」(現doda)立ち上げなどを経て、2016年に株式会社ネットジンザイバンク(現フォースタートアップス株式会社)を創業、代表取締役社長に就任。2014-15年「Japan Headhunter Awards」にて「Headhunter of The Year」2年連続受賞、2016年に国内初「殿堂」入りHeadhunter認定。2019年より日本ベンチャーキャピタル協会ベンチャーエコシステム委員会委員、2020年より経団連スタートアップ委員会企画部会/スタートアップ政策タスクフォース委員に就任。2021年に公益社団法人経済同友会入会。2022年に一般社団法人関西経済同友会に入会。2023年『スタートアップで働く』(ディスカバー・トゥエンティワン)を出版。

最新セミナー情報

東証グロース市場の上場維持基準を上場5年経過後に時価総額100億円以上に変更するなど、2025年上半期は大きな変化がありました。
今回はそのような影響を受けて、スタートアップのエコシステムはどのような変化が起きているのか。
データだけでは見えないマーケットの変化を、最先端で活躍するVCお二人にご解説を頂きます。
スタートアップの"今"と"今後の展望"を「最速」で読み解き、質問もできる1時間半です。