2023年11月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
自動車大手・スズキから総額250億円を調達するエリーパワーがトップに立った。
2位はクリーンエナジーコネクトの52億円。環境問題の解決につながるプロジェクトの必要資金として調達する「グリーンプロジェクトボンド」などを活用した。
ランキングは以下の通り。
(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)
1位のエリーパワーは2006年設立の慶應義塾大学発スタートアップ。大型リチウムイオン電池の開発・製造などを手掛けている。
スズキは2012年、エリーパワーに10億円を出資していた。今回は100億円を追加出資するほか、エリーパワーが発行する転換社債型新株予約権付社債150億円分を引き受ける(解説記事:ベンチャーデット)。エリーパワーの調達額はあわせて250億円となる。
手続きは2023年内に完了する見込み。両社は業務提携契約を締結し、今後はモビリティなどに搭載可能なリチウムイオン電池の共同開発に着手する方針だという。
2位は再生可能エネルギーの導入コンサルティングなどを手がけるクリーンエナジーコネクト。調達額は52億円だった。
同社は再生可能エネルギーから作られる「グリーン電力」の導入計画の立案から効果検証までをワンストップで展開する。
今回の調達は、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)に該当しない「Non-FIT低圧太陽光発電所」の開発を目的としている。調達にあたっては、環境問題の解決につながる事業の必要資金として発行される債券である「グリーンプロジェクトボンド」などを活用した。
3位は、営業力の強化や生産性向上を実現させる「セールスイネーブルメント」領域のクラウドサービスを展開するナレッジワークの45億円だった。
ナレッジワークは「みんなが売れる営業になる」を掲げるクラウドサービス。営業資料やノウハウを共有したり、学習コースが簡単に作成できたりする。営業現場には非効率・属人性の高い業務が蔓延っているとし、テクノロジーとデザインで課題解決にあたる。調達した資金は開発や人材採用に充て、今後3年間で10の新プロダクトを開発・提供する予定だという。
4位以下は電動モビリティシェアサービスのLuup(36億円)、法人支出管理サービスなどを展開するLayerX(19億9,000万円)と続いた。
6位のAnotherBallはVTuberプロジェクト「IZUMO」を手がける。連続起業家が設立したスタートアップで、シードラウンドとしては大型の19億円の調達となった。