2023年9月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
ラクスルグループで、ITデバイスとSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)の統合管理サービスを展開するジョーシスの135億円が最多だった。
「スキマバイト」アプリを展開するタイミーは、130億円を全額デットファイナンス(用語解説)で確保した。
ランキングは以下の通り。
(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)
1位はシリーズBラウンドで135億円を調達したジョーシスだった。
同社が展開するクラウドサービスの「ジョーシス」は、社内のITデバイスやSaaSの利用状況を可視化し一元管理する機能などがあり、情報システム担当者(情シス)の業務負担を軽減できる。また、退職者に付与していたアカウントの削除漏れを防ぐなどし、セキュリティリスクも低減することができる。
発表によると、2022年9月のシリーズAの44億円調達以来、収益は10倍に伸びた。今後はエンタープライズ領域へ参入するほか、北米やアジアなどのグローバル展開も加速させていく。
2位は130億円を全額デットファイナンスで確保したタイミーだった。
同社は2022年11月にも183億円を融資で調達していて、2年連続で大型のデットファイナンスを成功させた。
今回の借入は年利1.0%未満で無担保・無保証というもの。1.0%未満という金利は、発表上は2022年の前回調達と同じだが、実際には今回の方が低く設定されているという。
タイミーは元々、飲食業界を中心にアルバイト機会を提供していたがコロナ禍で減少。倉庫作業などがある物流業界や洗車・車両移動などを任されるレンタカー業界に浸透を図ってきた。こうした広がりに加え、コロナ禍が一服し行動制限が解除されたこともあり飲食・小売関連の労働需要も戻ってきているという。
知能ロボットコントローラを手がけるMujinが123億円で3位だった。同社がエクイティファイナンス(用語解説)を実施するのは2014年以来9年ぶり。
Mujinは、プログラムされた動きを繰り返す従来型ロボットにセンサーと独自のコントローラを接続することで、環境変化に合わせて自律的に動作する「知能ロボット」を構築する。
資金調達にあたっては、SBIインベストメントがリード投資家を務め、海外投資家も参加した。調達をきっかけに、技術の高度化や欧米事業の拡大を推進していく。
また、9月29日には文部科学省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)宇宙分野の採択企業が公表された。これは、文科省の造成した基金から補助金を交付することで、スタートアップが持つ先端技術の社会実装を促進するものだ。企業名と交付金額の上限は以下のとおり。
インターステラテクノロジズ(20億円)
SPACE WALKER(20億円)
将来宇宙輸送システム(20億円)
スペースワン(3億2,000円)
アストロスケール(26億9,000万円)
Pale Blue(15億8,000万円)
BULL(14億7,000万円)