
生成AI領域における基盤モデルの研究開発を行うSakana AIは、シリーズBラウンドにて200億円を調達しトップに立った。
新たな知能の創出とAGIのAI研究開発を行うThird Intelligence、初のラウンドで80億円を調達し2位に続いた。
2025年11月の資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。
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1位は生成AI領域における基盤モデルの研究開発を行うSakana AIで、シリーズBラウンドにて、200億円を調達した。
日本におけるAIの民主化を実現することを目指し、大規模言語モデル (LLM) などの基礎モデルを開発するスタートアップ。
同社は、日本の文化や言語特性に最適化された独自の大規模言語モデル(LLM)を開発しており、金融や製造、防衛など多様な基幹産業に対応する生成AI技術に強みを持つ。複数のLLMを組み合わせた高効率なAI運用技術や、自律的に性能を改善する機構の研究開発を進めており、国内におけるソブリンAI(主権AI)構築を目指している。Google出身者を中心に2023年に創業され、すでに金融機関との契約実績も有する。
今後はこの資金を活用し、人材採用や技術開発を加速する方針だ。
2位は新たな知能の創出とAGIのAI研究開発を行うThird Intelligenceで、初のラウンドで80億円を調達した。
同社は、ユーザーの目的や利用環境に応じて独自に進化する「遍在型AGI(汎用人工知能)」の確立を目指し、AI研究とプロダクト開発を融合させたアプローチで独自AIの開発に取り組んでいる。生成AIや基盤モデルに関するグローバル競争が激化する中で、外部依存を排した日本発の主権型AGI技術の確立を重視し、独立した研究開発・運用体制を構築。松尾研究所の出身者など、研究とエンジニアリングに特化した約40名の体制で、プロダクト反映を前提とした技術サイクルの内製化を進めている。
調達資金は、グローバル基準の研究開発体制の整備および「遍在型AGI」の実現に向けた人材採用と技術開発に活用する方針だ。
3位はマーケティング支援事業と自社事業開発を手がけるナハトで、デットファイナンスで60億円を調達した。
同社は「日本のマーケティング力を底上げする」をミッションに掲げ、クライアント企業の成長を支援する総合マーケティング支援を提供している。広告領域にとどまらず、自社商品の企画・開発やAIを活用した業務効率化支援まで幅広く手がけており、柔軟な戦略設計と実行体制を強みとする。2040年までに売上2,000億円・従業員3,000人規模への成長を見据え、人材育成と組織体制の強化に注力している。
今後はこの資金を活用し、次世代リーダーの育成や新規事業開発を加速し、長期構想「ナハト・ビジョン2040」の実現に向けてさらなる成長戦略を推進する方針だ。