2023年8月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
再生可能エネルギーの導入コンサルティングなどを展開するクリーンエナジーコネクトが134億8,000万円で1位となった。
大型蓄電池の製造や電気運搬船の開発などを手がけるパワーエックスが61億6,000万円で2位となり、脱炭素関連の事業に取り組むスタートアップの大型調達が目立つ形となった。
ランキングは以下の通り。
(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)
1位は134億8,000万円でクリーンエナジーコネクトだった。同社はFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)に該当しない(Non-FIT)太陽光発電所を開発するなどしている。「グリーン電力ソリューション」として、顧客のニーズに合った形の導入から効果検証などまでをワンストップで手がける。
134億8,000万円は、シリーズCラウンドとして実施した資金調達に、8月に発表された120億円のデットファイナンス(用語解説)を合計した金額。SBI新生銀行が「明確な環境改善効果が認められる事業に資金使途を限定したローン」として90億円を融資したほか、脱炭素支援機構は劣後ローン(返済の優先順位が低いローン)を実行した。
クリーンエナジーコネクトは調達した資金で太陽光発電所の開発を加速させる。
2位は61億6,000万円を調達したパワーエックスだった。同社は「再生可能エネルギーの爆発的普及」を掲げ、大型蓄電池の製造や電気運搬船の開発などに取り組む。
調達した資金は研究開発のほか、岡山県の工場の製造設備導入費用などに充てられるという。伊藤正裕・代表執行役社長CEOは発表で「事業計画を実行するために必要な資金は集まっており、いよいよお客さまへの製品の出荷が始まる」などとコメントした。
3位は途上国で中小零細事業向け小口金融(マイクロファイナンス)サービスを展開する五常・アンド・カンパニーで、37億1,000万円だった。
五常は5カ国・9社のグループを通じて、インドやミャンマー、カンボジアなどで中小零細事業向けの小口金融事業を展開している。2023年6月末時点で累計顧客数は175万人、連結融資残高は1,000億円を突破している。
今回の調達で、グロービス・キャピタル・パートナーズ、SMBCベンチャーキャピタルなどが新規投資家として加わった。同社は2023年3月期の連結財務実績も公表し、金融収益が186億円、営業利益が17億6,000万円となり、連結黒字化を達成したとした。
年間の調達金額ランキング(累積)は、半期毎に刊行される投資動向レポートに掲載致します。