2023年7月から9月にかけての3ヶ月でスタートアップが調達した資金の総額は速報値で2,228億1,200万円と、2021年・22年の同時期を下回る水準だったことがSTARTUP DBの調査で分かった。
国内のスタートアップをめぐっては、世界的な利上げの影響などを受け資金調達環境が冷え込んでいて、特に調達が活況だった2021年と比較すると3割から4割ほど落ち込んでいる。
2023年7月から9月にかけての資金調達の総額は2,228億1,200万円だった。新株を発行して資金を得るエクイティファイナンス(用語解説)や借入・融資などのデットファイナンス(用語解説)など複数の手法による調達を合算した金額。速報値のため、今後データの更新に伴い一定程度の増加が見込まれる。
2023年7月〜9月の調達総額は、同年1月〜3月(2,161億6,700万円)や4月〜6月(2,303億9,400万円)とほぼ同水準だった。一方で、2022年の7月〜9月(2,918億4,500万円)と比較すると690億3,300万円、率にして23%あまり落ち込んでいる。
全体的に、2023年の資金調達金額は対前年(2022年)比で3割程度減っている。金融緩和の影響で調達市場が活況だった2021年と比較すると減り幅はより大きくなり、特に7月〜9月は今後のデータ更新による増加分を加味しても4割程度の落ち込みとなることが予想される。
期間中には大型調達も発表されている。人工知能を搭載した遠隔操作ロボットを開発するTelexistenceが230億円を、陸上で魚を養殖する「閉鎖循環式陸上養殖」を展開するFRDジャパンが210億円をそれぞれ調達している。
調達件数の減少が全体の金額を押し下げている。2021年と22年は各四半期ともに800社〜900社程度で推移しているが、2023年は1〜3月(756社)、4〜6月(690社)、7〜9月(586社)と右肩下がりになっている。
調達金額のランキングや平均額などの推移は、2024年発刊予定の「2023年 年間 投資動向レポート」に記載する。