ランキングレポート

国内スタートアップ想定時価総額ランキング最新版(2021年2月)

2021-02-10
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

月面資源開発に取り組むispace、想定時価総額を55億円成長させ、16位に浮上

2021年2月の想定時価総額ランキングでは、ispaceが想定時価総額を55億円伸ばし、先月の19位から16位に浮上。また、アストロスケールホールディングスの想定時価総額も第三者割当増資により、685億円から697億円へと増加している。ispaceは、2020年12月にシリーズBの追加ラウンドとして、SMBC日興証券を引受先とした第三者割当増資により5億円の資金調達を実施。累計調達金額は約140億5,000万円となる。この調達を受けて、2023年に実施予定のMission2で使用するランダーの先行開発投資、更には2024年以降のランダーのサイズアップを見据えた先行開発投資を着実に実行する予定だ。アストロスケールホールディングスは、2020年10月に、エースタートアイネット清水建設スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーからの第三者割当増資により、シリーズE総額で約55億円の調達を実施し、累計総額で約210億円の資金調達となった。今後は重要な社会インフラとして宇宙からのサービスやデータを安心して活用できるよう、デブリの低減・除去、軌道上サービスのミッション実現に向け、スペースデブリという世界でも最も複雑な社会課題に対して、技術、ビジネスモデル、法規制に取り組んでいく方針だ。

4位のTBMが1月に新サービス「CirculeX(サーキュレックス)アプリ」を開始

先月のTOP20企業において、大型の調達による累計資金調達金額の変化などはみられなかった。4位にランクインしており、累計で137.6億円の資金調達をしてきたTBMは、2021年1月に使用済みのプラスチック製品や石灰石を主原料とするLIMEX製品の回収を促進する「CirculeX(サーキュレックス)アプリ」のサービスを開始した。「CirculeXアプリ」は、使用済みのプラスチック製品やLIMEX製品などの回収量を記録し、資源回収に協力した人にポイントを付与するアプリだ。今後、同アプリのポイント利用先の拡大を予定しており、消費者向けのCirculeXアプリに加え、事業者が利用できる、資源の回収量を可視化するシステムの開発を進めている。15位にランクインする、新しい鍵の体験を提供するスマートロックサービス「bitlockシリーズ」を提供しているビットキーは、2020年12月には丸紅都市開発、2021年1月にはNTT都市開発が、同社サービスを導入したと発表している。20位にランクインしているLooopは、2021年1月にエネルギーテック企業のENECHANGEと共同開発した、電気使用の需要変容を促す家庭向けデマンドレスポンス型(注1)節電サービスを開始。また、北海道に3か所の高圧太陽光発電所を新設し、「エネルギーフリー社会の実現」を目指して、順調に電源開発を進めている。STARTUP DBでは次月以降も引き続き、想定時価総額ランキングと主要トピックに関する記事をリリースしていく。

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。

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