ランキングレポート

国内スタートアップ資金調達ランキング(2024年2月)

2024-03-12
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

2024年2月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。

日本の技術”施設園芸”を活かした植物工場を展開するOishii Farmが200億円でトップだった。都市型小型EV「RideRoid」の開発を行うLean Mobilityが2位に続いた。
Oishii Farmには欧米のファンドが、Lean Mobilityには台湾の自動車関連企業連合がそれぞれ出資した。両者はいずれも海外市場での成長を視野に入れている。

ランキングは以下の通り。
(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)

1位は日本発の技術を基盤に、アメリカで次世代植物工場事業を展開するOishii FarmがシリーズBラウンドとして調達した200億円だった。
今回の調達では、日本電信電話(NTT)安川電機脱炭素化支援機構みずほ銀行などの日本企業、そして欧米のサステナビリティファンドのMcWin Capital PartnersBloom8などが参画した。
同社の植物工場は、完全無農薬・メガソーラー発電施設からのグリーンエネルギー活用などの特徴がある。いずれもサステナブル(持続可能)な農業につながるものだという。

2位は日本・台湾アライアンスのEVメーカーLean Mobilityで、28億円を調達した。
出資したのは冠和投資東立物流鴻裕投資開発からなる台湾の自動車関連企業連合で、まずは都市型小型EVの台湾市場でのローンチを目指す。その後は日本や欧州市場などを見据え、5年目までに5万台以上を生産したいとしている。
Lean Mobilityは、トヨタ自動車出身の谷中壯弘氏が2022年に設立。乗用車の約1/3というコンパクトなキャビンや、ロボティクス技術由来の姿勢制御と自動車の走行技術を融合した点などが特徴だという。都市部での移動効率の飛躍的な向上を目指す。

3位はCO2排出量可視化のクラウドサービスを提供するe-dashの25億。
三井物産の100%子会社であるe-dashは2月20日、みずほ銀行みずほイノベーション・フロンティアと資本業務提携契約を締結したと発表。既存株主である三井物産による追加出資、みずほイノベーション・フロンティアを引受先とする第三者割当増資を実施。総額25億円の資金調達となる。

4位のDGキャピタルグループはデジタルグリッド技術を開発を手がける愛知県のスタートアップ。シリーズAラウンドとして16億円を調達した。
DGキャピタルグループは元東京大学特任教授で、現在は同社の代表取締役CEOを務める阿部力也氏の研究成果をもとに設立された。同社の公式サイトによると、デジタルグリッド技術は、既存の電力系統に悪影響を及ぼすことなく、再生可能エネルギーの導入が可能になるという。

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。

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