2024年2月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
日本の技術”施設園芸”を活かした植物工場を展開するOishii Farmが200億円でトップだった。都市型小型EV「RideRoid」の開発を行うLean Mobilityが2位に続いた。
Oishii Farmには欧米のファンドが、Lean Mobilityには台湾の自動車関連企業連合がそれぞれ出資した。両者はいずれも海外市場での成長を視野に入れている。
ランキングは以下の通り。
(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)
1位は日本発の技術を基盤に、アメリカで次世代植物工場事業を展開するOishii FarmがシリーズBラウンドとして調達した200億円だった。
今回の調達では、日本電信電話(NTT)、安川電機、脱炭素化支援機構、みずほ銀行などの日本企業、そして欧米のサステナビリティファンドのMcWin Capital Partners、Bloom8などが参画した。
同社の植物工場は、完全無農薬・メガソーラー発電施設からのグリーンエネルギー活用などの特徴がある。いずれもサステナブル(持続可能)な農業につながるものだという。
2位は日本・台湾アライアンスのEVメーカーLean Mobilityで、28億円を調達した。
出資したのは冠和投資、東立物流、鴻裕投資開発からなる台湾の自動車関連企業連合で、まずは都市型小型EVの台湾市場でのローンチを目指す。その後は日本や欧州市場などを見据え、5年目までに5万台以上を生産したいとしている。
Lean Mobilityは、トヨタ自動車出身の谷中壯弘氏が2022年に設立。乗用車の約1/3というコンパクトなキャビンや、ロボティクス技術由来の姿勢制御と自動車の走行技術を融合した点などが特徴だという。都市部での移動効率の飛躍的な向上を目指す。
3位はCO2排出量可視化のクラウドサービスを提供するe-dashの25億。
三井物産の100%子会社であるe-dashは2月20日、みずほ銀行、みずほイノベーション・フロンティアと資本業務提携契約を締結したと発表。既存株主である三井物産による追加出資、みずほイノベーション・フロンティアを引受先とする第三者割当増資を実施。総額25億円の資金調達となる。
4位のDGキャピタルグループはデジタルグリッド技術を開発を手がける愛知県のスタートアップ。シリーズAラウンドとして16億円を調達した。
DGキャピタルグループは元東京大学特任教授で、現在は同社の代表取締役CEOを務める阿部力也氏の研究成果をもとに設立された。同社の公式サイトによると、デジタルグリッド技術は、既存の電力系統に悪影響を及ぼすことなく、再生可能エネルギーの導入が可能になるという。