2023年12月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
小型衛星を活用したビジネスを展開するアクセルスペースホールディングスが62億4,000万円でトップに立った。
LINEを活用したマーケティングツールを手掛けるMicoworksが35億円で2位。日韓のファンドなどから30億2,000万円を集めたAllganize(オルガナイズ)Holdingsが3位と続いた。MicoworksとAllganizeはそれぞれ海外の投資家からも出資を受けた。
ランキングは以下の通り。
(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)
1位のアクセルスペースホールディングスは、100%子会社を通じて小型衛星を活用した複数のビジネスを手がける。
「AxelGlobe」は小型衛星群で地球を観測し、データを提供する。農業や防災といった用途のほか、報道などにも広がっているという。また「AxelLiner」は、許認可の取得や打ち上げ後の運用など、人工衛星プロジェクトに関する業務を要望に応じてワンストップで支援する。宇宙ビジネスを「ロマン」ではなく「普通」の存在に定着させることを目指す。
シリーズDとして62億4,000万円を調達した。SMBCベンチャーキャピタル・マネジメントとグローバル・ブレインが共同で運営するファンドがリード投資を務めた。
2位はLINEを活用したマーケティングツールを手掛けるMicoworksだった。12月27日にシリーズBとして35億円の調達を発表した。シンガポールに拠点を置くVertex Holdingsのファンドネットワークの一つで、グロースステージの企業に投資を実行するVertex Growthがリード投資を務めた。
MicoworksはLINEを活用したマーケティングプラットフォーム「MicoCloud」などを展開する。2022年2月のシリーズA時点では600程度だった導入ブランド数は既に1,000を超えている。また、社員数もおよそ150名と3倍に成長した。
調達をきっかけに、アジアを中心とするグローバル展開を加速させていくという。
3位は30億2,000万円(2,020万ドル)を調達したAllganize Holdingsだった。同社は日本、アメリカ、韓国を中心にLLM(大規模言語モデル/解説記事)などを活用したAIソリューションを展開している。
同社の「Alli LLM App Market」は契約書の条項チェックや新規事業のアイデア出しなど、業務に使用できるLLMアプリを100以上取り揃える。
韓国のファンドのほか、KDDI Open Innovation Fund 3号や三井住友銀行も出資に参加した。調達をきっかけに事業のグルーバル展開を加速させる。発表によると、日本市場での上場を目的に据える。
4位のエナジーグリッドの30億円は全額デットファイナンス(用語解説)によるもの。20億円で5位のHelpfeelは企業サイトなどのFAQ(よくある質問)の検索性能を向上させるソリューションを展開する。