ランキングレポート

国内スタートアップ資金調達金額ランキング(2022年1月-12月)

2023-01-19
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

2022年12月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。

再生可能エネルギーの導入に向けたコンサルティング事業などを手掛けるクリーンエナジーコネクトが87億6,000万円でトップだった。同社は1月から12月までの年間を通じたランキングでも5位に浮上した。ランキングは以下の通り。

(11月に資金調達が実施され、12月に発表されたものも含む)

2022年12月に発表された資金調達の金額ランキング

・「グリーンプロジェクトボンド」で87億6,000万円を調達したクリーンエナジーコネクトがトップに。1月から12月までの年間を通じたランキングでも5位に浮上・HIFU(ハイフ)治療装置のソニア・セラピューティクスが23億5,000万円を調達し2位・10億円以上の調達を発表したのは9社

87億6,000万円を調達してトップに立ったのはクリーンエナジーコネクト。同社は再生可能エネルギーの導入を検討する企業に対し、計画立案から実行支援、それに導入後の効果検証などを一括で提供する。

今回の調達はグリーンプロジェクトボンドによるもの。環境問題の解決につながるプロジェクトに必要な資金を調達する債券のことで、出力50キロワット未満の「低圧太陽光発電所」の開発に充てる。

環境省によると、グリーンボンドの発行をめぐっては、外部機関が資金の使途や管理運営体制などについて第三者評価を実施することがある。クリーンエナジーコネクトは評価を受けた結果、最高ランクの総合評価を取得したとしている。

2位のソニア・セラピューティクスは集束超音波(HIFU)治療装置の研究開発に取り組む。シリーズBとして、既存投資家5社と新規投資家6社を引受先とする第三者割当増資で23億5,000万円を調達した。

同社が開発を進めるHIFU(ハイフ)治療装置は、集束超音波(High-Intensity Focused Ultrasound=HIFU)を照射してがんを加熱・壊死させることができる。放射線被曝がないため繰り返し治療を受けられるほか、体への負担も少ないなどのメリットがあるという。

3位は第三者割当増資で20億円を調達したオプティマインド。累計調達額は31億円となった。

宅配物などが物流の最終拠点に到着してから、エンドユーザーに届くまでの最終工程を指す「ラストワンマイル」の最適化を目指すスタートアップ。「どの車両が、どの訪問先を、どの順に回るか」といった配送計画を提案する「Loogia(ルージア)」を提供する。

2022年 年間の資金調達金額ランキング

・クリーンエナジーコネクトが5位に浮上・パワーエックスは14位まで上昇。共に再生可能エネルギー手がける・年間の資金調達額が100億円を超えた企業は10社に

2022年1月から12月までのランキングでは、クリーンエナジーコネクトが5位に浮上した。EV(電気自動車)向けのバッテリー搭載型急速充電器などの販売を見込むパワーエックスも14位まで順位を上げた。両社はサービスこそ異なるものの、再生可能エネルギーを手掛ける点は共通する。

上位勢は変わらず、カナダの大手年金基金・ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)からの総額700億円の資金調達を発表した自然電力を筆頭に、UPSIDERアルムなどが並んでいる。

「2022年 年間の資金調達金額ランキング」ランクイン企業のピックアップニュース

インターステラテクノロジズ

インターステラテクノロジズのロケットZERO、姿勢制御用ジンバルの性能取得試験を実施https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000043667.html (12/7)

LegalOn Technologies

【LegalForceキャビネ導入事例】リユース事業を中心に様々な事業を展開する「バリュエンスホールディングス株式会社」、AI契約管理システム「LegalForceキャビネ」を導入https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000318.000036601.html (2022/12/21)

クリーンエナジーコネクト

東急建設とクリーンエナジーコネクトが国内初となる建設現場を対象としたバーチャルPPAサービス契約を締結https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000071691.html (2022/12/22)

CureApp

CureAppのアルコール依存症向け治療用アプリ 2023年1月より治験を開始https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000015777.html (2022/12/22)

UPSIDER

法人カード「UPSIDER」、Slack連携機能の大幅アップデートを発表https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000076272.html (2022/12/29)STARTUP DBは次月以降も引き続き、国内スタートアップ資金調達金額ランキングや主要トピックに関する記事をリリースしていく。

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事業会社やCVCの出資ニーズをもとに、スタートアップ企業に最適な資本業務提携候補をご紹介します。国内外200社以上の事業会社やCVCと情報連携をすることで、出資注力領域や出資可能金額、出資検討期間などの出資ニーズを集約しているこのサービス。スタートアップの資金調達目的やスケジュールに沿った調達可能性がある企業との商談を実現します。

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。

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