調達額:約10億円調達先:荏原製作所
同社はNASAも諦めたとされる人工合成クモ糸こと「クモノス(QMONOS)」の開発で世界の注目を集めるスタートアップ。2007年9月、神奈川県にて設立。その後、2008年6月に慶應義塾大学先端生命科学研究所のある山形県鶴岡市に移転。リリース当時ポリエステル以来の大革命と言われたクモノスは組み替えた蜘蛛の遺伝子からなる合成タンパク質を発酵、高分子合成する。米国の軍事研究機関である米国国防研究計画局(DARPA)も巨額の資金を投じる夢のテクノロジーだ。通常のプラスチックや合成繊維はそれぞれ製造するプロセスや工場は全く異なるが、原料になる遺伝子組み換えしたタンパク質を変えるだけで、ひとつの工場で多彩な性質を持った合成繊維やプラスチックを作れることが最大の特徴だ。原理的には特定の動物の獣毛やキバの合成タンパク質を使えば、それらと似たような性質を持つプラスチックや繊維を製造できるとされている。
調達額:約11億円調達先:INCJ / SMBCベンチャーキャピタル / みずほキャピタル / 三菱UFJキャピタル / 静岡キャピタル
工業用途の超音波複合振動接合装置を開発・製造するするスタートアップ。神奈川大学名誉教授の辻野次郎丸博士が発明した技術だ。同社が開発する超音波複合振動接合装置を用いることで、従来の溶接技術で発生していた、スパッタの発生や合金層の形成などの課題を解決することができる。接合装置の量産化を実現し、複数の国内大手メーカーの製造ラインへ導入されている。既に大手バッテリーメーカーをはじめとする事業会社から量産機を受注している。2020年1月にはシリーズBとしてNCJ、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、静岡キャピタルを引受先とする総額11億円の資金調達を実施。今後は、様々な装置の開発を計画やラインアップを拡充することで適用範囲を順次拡大していく見込みだ。
調達額:3億6000万円調達先:DBJキャピタル / SMBCベンチャーキャピタル / 慶應イノベーション・イニシアティブ
iPS細胞を利用した角膜内皮再生医療の研究開発を行う慶應大学医学部発スタートアップ。失明につながる目の病気、水疱性角膜症の治療法の確立を目指す。同社の細胞移植はiPS細胞由来の角膜内皮代替細胞を用いることで、シリンジから細胞を注入し術後3時間うつ伏せになることで細胞を定着させることが可能。具体的には、角膜の内皮細胞の代替となる細胞をiPS細胞から大量に培養することに成功。これによりドナー不足の解消はもちろん、手術時間の短縮や合併症のリスクを低下させることが可能となり、これまでにないスピードでのブレイクスルーを実現。
調達額:1億9000万円調達先:XTech Ventures / ディップ
学生企業起業を経て、ソニーのビジネス戦略部門や DeNAを経験した河野理愛氏によって設立されたスタートアップ。DeNA執行役員を経験した近藤和弘氏にもCOOとして参画している。同社は、スピーチやセールス、プレゼンテーションを解析・数値化し、より良いコミュニケーションの方法を提案するサービス「UpSighter」の開発、運営を行っている。コミュニケーションの全てをリモートワーカーたちが解析をしている。同社の従業員の8〜9割を担うアノテーションワーカーと呼ばれる彼らはAI学習に特化した学生インターンや拠点のひとつである徳島にUターン、Iターンし就職した人々である。解析を完了するまでのタスクの細分化、一人あたりの業務範囲の固定化が解析という専門性の高い業務をコンサルタントなしで可能にしている。2020年1月には2017年12月のプレシリーズBラウンドに続く、1億9000万円の資金調達を実施。類型の資金調達額は5億円に上る。この調達を受けてアルゴリズムの強化を図り、サービスの拡充やパートナー企業との協業を深めていく。
調達額:約1億8000万円調達先:オイシックス・ラ・大地 / 岡田隆 / 長友佑都
ヘルスケア×フードテックを軸に、地球環境と人々の自己実現をサポートする次世代の食文化を創出しようと試みるスタートアップ。世界中で注目を集めているエシカル消費と、日本が築き上げてきた食文化やクラフトマンシップを大事にしながら新しい「食」のブランドづくりを行なっている。同社の理念を体現する原点となった事業が、美と健康を内側から整えるヘルスケア創作料理レストラン「倭」だ。西麻布に店舗を構え、フルコースで600kcal程度の料理を提供している。2019年4月には、管理栄養士監修のオーガニック離乳食「ミタス」をローンチ。約9ヶ月で販売実績5万食を突破、LINE@ のお友達登録数約1,800人、Instagram のフォロワーは1万人を超えた。