ニュースサマリー

オンライン前提のECから「オフライン」開拓へ...SUPER STUDIOが14億円調達。観光遊覧飛行のSpace Aviation、超富裕層向けのイメージから「身近な存在」へ【最新スタートアップニュース】

2023-10-23
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

国内の成長産業やスタートアップに関する幅広い情報を収集・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「STARTUP DB」では毎週、スタートアップニュースサマリーを配信している。

オンライン前提のECから...オフラインへ 「ecforce」のSUPER STUDIO

EC(電子商取引)基幹システム「ecforce」を展開するSUPER STUDIOは10月17日、第三者割当増資で14億円を調達したと発表した。同社のエクイティ調達(用語解説)資金は累計で84億円となった。

SUPER STUDIOは、サイト構築から販売・売上促進などをカバーするEC基幹システム「ecforce」を展開する。

同社はこれまでオンライン上の取引を前提としたプロダクト開発を続けてきたが、調達をきっかけにオフライン市場の開拓を視野に入れる。足がかりとして、10月17日に美容・医療などを想定した店舗型ビジネス向け会員・予約管理システムをリリースした。オフライン店舗で取得した顧客情報をECと連携させることで、売り上げの最大化が見込めるとしている。

「超富裕層向け」だけじゃない 観光遊覧飛行のSpace Aviation

ヘリコプターの観光遊覧飛行などを手掛けるSpace Aviationは10月16日、実業家の前澤友作氏が代表を務める前澤ファンドを引受先とする第三者割当増資で10億円を調達したと発表した。

Space Aviationはヘリコプターによる遊覧飛行や旅客輸送などを手掛ける。本社のある京都府のほか、岡山県、北海道、沖縄県などで45機の航空機を用いたサービスを展開している。

調達をきっかけに経営層やパイロット・整備士などの人材獲得を進める。同社はさらに、ヘリコプターが超富裕層向けサービスなどと連想されることについて「幅広い価格帯のフライト商品を提供している」と指摘。「より身近な存在として認知・体感いただけるよう努める」とした。

自社運営の「循環センター」強化へ 資源循環型ビジネスのecommit

リユース(再利用)やリサイクルを通じた資源循環型ビジネスを展開するecommitは10月20日、シリーズAラウンドとして9億4,000万円の調達を完了させたと発表した。

ecommitは通常、消費・廃棄される衣類などを回収し、自社で運営する「循環センター」での選別を経て再流通させる。企業や自治体などと連携を広げていて、ごみの廃棄量や廃棄に伴う二酸化炭素の排出量などを減少させているという。

調達には伊藤忠商事グローバル・インフラ・マネジメントなど9社が参加した。調達した資金で全国の拠点を増強し、廃棄物の回収量を増やしていきたいとしている。

注目の資金調達企業

SUPER STUDIO

調達額:14億円
調達先:31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースⅠ / QRインベストメント / あおぞら企業投資 / その他投資家
備考:引受主体がファンドの場合は運営会社の名称等を記載

Space Aviation

調達額:10億円
調達先:前澤ファンド

ecommit

調達額:9億4,000万円
調達先:伊藤忠商事 / Global Infrastructure Managementアセット・クリエーション・ファンド1号投資事業有限責任組合 / 日本郵政キャピタル / The Independents Angel 2号投資事業有限責任組合 / KE投資事業有限責任組合 / NXグローバルイノベーション投資事業有限責任組合 / NCBベンチャー投資事業有限責任組合 / 創発の莟1号投資事業有限責任組合 / みずほ成長支援第4号投資事業有限責任組合 / サザビーリーグ
備考:シリーズAラウンド

フローディア

調達額:8億5,000万円
調達先:Cypress Capital / 稲畑産業
備考:シリーズDラウンド

Sparticle

調達額:5億円
調達先:Wisemont Capital / その他投資家4社
備考:プレシリーズAラウンド

注目のスタートアップニュース

肥銀大学発ベンチャーシード投資事業有限責任組合

「肥銀大学発ベンチャーシードファンド」の共同設立および出資について
https://www.higobank.co.jp/showimage/pdf%3FfileNo%3D2444 (2023/10/19)

Wrusty

オンライン診療システム「march」を10月17日にリリース  ヘルスケア事業のあらゆる運用に合わせてトータルサポート
https://www.atpress.ne.jp/news/369246 (2023/10/20)

Buzzreach

スタートアップとして日本で初めて米国の分散型臨床研究推進団体「Decentralized Trials & Research Alliance (DTRA)」に加盟https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000036622.html

資本業務提携ニュース

Oxyzen × ピーディーシー

データ連携、協業を力強く推進し、オフラインにおける顧客体験の可視化や商業施設・観光地などの人流の動態把握などの分析の更なる精緻化と販売の拡充を図る。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000130852.html (2023/10/16)

KLD × ディー・エル・イー

ディー・エル・イーの有する様々なアセットとコラボレーションし、サービスの認知拡大、国内のオフラインビジネス展開、また世界進出を前提とした新たなブランドの創出を目指す。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000104816.html (2023/10/16)

WeCapital × ジークラフト × 雪国物語

「ヤマワケ」のプラットフォームを通して、日本だけでなく世界からも事業者を応援できる仕組みを目指す。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000056939.html (2023/10/17)

IPOニュース

【新規上場承認企業】

バリュークリエーション

上場承認日:2023/10/19
上場予定日:2023/11/22

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。