ランキングレポート

国内スタートアップ想定時価総額ランキング最新版(2020年9月)

2020-09-08
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

アストロスケールホールディングスが10位に浮上、Mobility Technologiesはユニコーンへ近づく

2020年9月の想定時価総額ランキングでは、2020年8月前回のランキングで14位だった、スペースデブリ除去サービスに取り組むアストロスケールホールディングスが10位へ浮上。想定時価総額を483億円から229億円増加させ、712億円となっている。また、2020年9月現在、国内のユニコーン企業数は7社である。8位にランクインしているモビリティDXカンパニーのMobility Technologiesは、2020年8月の想定時価総額が826億円だったのがおよそ993億円に増加し、上記7社のユニコーン企業を除くと最もユニコーン企業に近づいたことがわかる。引き続きトップは、ディープラーニングの研究やロボット開発などを手がけるPreferred Networks。同社は2位以下に続く、クリーンエネルギーの研究を行うクリーンプラネット、ニュースアプリ「SmartNews」の運営を行うスマートニュースと想定時価総額で比較すると、およそ3倍の規模を有する。

ティアフォーがSOMPOホールディングスとの資本提携を発表、累計資金調達額は約222.7億円に

累計資金調達額をみると、トップがMobility Technologiesが395.2億円、次いで人工合成クモ糸「クモノス(QMONOS)」の開発を手掛けるSpiberが355.8億円、カンタン決済サービス「Paidy」を提供するPaidyが303.5億円となっている。また、世界初のオープンソースの自動運転OS「Autoware」の開発するティアフォーが、約222.7億円の資金を集めている。2020年8月28日に、SOMPOホールディングスとの資本提携によって、約98億円の資金調達を実施したことによる増加である。▼ティアフォー代表、加藤真平氏のインタビュー記事

注1:2020年9月2日時点でティアフォーの最新の調達が登記簿に記載されていなかったため、時価総額ランキングには反映されず。

カテゴリー別では、環境・エネルギーと金融分野がトップに

カテゴリー別にみると、先月と同様に環境・エネルギーと金融領域が最も多く、4社ずつランクインしており、自動車領域が3社でこれらに続く。日本国内のスタートアップにおける、想定時価総額ランキング上位企業の中で環境・エネルギー分野に属する企業数が多く、4社の累計調達額はおよそ262.3億円である。この要因のひとつとして、近年、世界的にESG投資(注1)が増加傾向にあることが考えられる。

注1:環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のこと。

環境・エネルギーのカテゴリーに含まれる企業は、以下の4社である。クリーンエネルギーの研究を行うクリーンプラネット、紙・プラスチックの代替となる世界初の新素材「LIMEX」を開発・製造・販売するTBM、電力小売プラットホーム「Panair Cloud」を開発するパネイル、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーサービスを提供するLooopとなっている。STARTUP DBでは次月以降も引き続き、想定時価総額ランキングと主要トピックに関する記事をリリースしていく。

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。

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