ランキングレポート

国内スタートアップ資金調達ランキング(2025年5月)

2025-06-05
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

2025年5月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。

2.5次元IPのプロデュースを展開するウタイテは、シリーズBラウンドにて77億円を調達しトップに立った。
セカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」を提供するSanu、シリーズBラウンドで60億5,000万円(プレスリリースで発表された64億5,000万円から、登記簿で公表された調達金額を抜いた額)を調達し2位に続いた。

2025年5月の資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。

1位は2.5次元キャラクターを活用したIPコンテンツの企画・制作・運営を行うウタイテで、シリーズBラウンドにて77億円を調達した。累計調達額は126億円に達したという。

同社は、ライブ配信や音楽、舞台、映像など複数のエンタメ領域を横断しながら、2.5次元IPを中心とした新しい表現と体験を創出している。自社で一貫してIPを立ち上げ、運営する体制を持ち、デジタルとリアルを融合した多面的な展開を強みとする。VTuberやアニメ、音楽ライブなどを組み合わせたクロスメディア戦略を展開し、国内外のファンとのエンゲージメントを最大化している。

今後は、優秀な人材の確保や組織体制の強化を図るとともに、海外展開を加速させ、グローバルなエンタメ市場への進出を目指す方針だ。

2位はセカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」を提供するSanuで、シリーズBラウンドで60億5,000万円(プレスリリースで発表された64億5,000万円から、登記簿で公表された調達金額を抜いた額)を調達した。シリーズB総額で64億5,000万円に達したという。

「SANU 2nd Home」は、都市と自然を往来する新しいライフスタイルを実現するために、自然豊かなロケーションに設計・製造された木造建築と、ソフトウェアによる予約・運用・管理システムを融合した体験を提供している。建築設計から製造、体験設計までを一貫して自社で手がけ、ハードとソフトの両面から“住”の価値を再構築することを目指す。

今回の調達を通じて、全国100拠点体制への拡大、木造モジュール建築の量産体制の確立、ソフトウェア技術による運営の効率化とUX向上を推進する方針だ。

3位はヘッドレスERPプラットフォームを提供するTailor Technologiesで、シリーズAラウンドの初回クローズにおいて総額1,400万米ドル(約21億円)を調達した。

「Tailor Platform」は、業務UIとロジックを分離したヘッドレスアーキテクチャを採用し、在庫管理・会計・購買・出荷・オムニチャネル管理といった各種業務モジュールを自在に組み合わせられる。標準およびカスタム機能をMCP(Model Context Protocol)に準拠させることで、他社AIエージェントとの連携も容易にし、業務自動化と高度なDXを支援。企業独自の業務要件にも高速に適応し、柔軟で拡張性の高いオペレーション基盤を提供している。

今回の調達により、日本および北米における開発・導入体制をさらに強化し、エンタープライズ市場への展開を加速する方針だ。

【2025年上半期】国内スタートアップ投資動向レポート

日本のスタートアップは、世界の経済動向や技術の進化に対応しながら、状況を変化させている。2025年上半期の資金調達金額は速報値で3,810億円で着地し、未だ調達環境が良くなってきているとは言えず横ばいの状態だった。米国では、前期に続きAI関連企業への集中が顕著で、PitchBookのデータによると、2025年Q1時点でAIへの資金調達額は全体の約7割に達している。こうした環境の中で、日本の国際競争力を高めるために注力すべき成長産業は何か。本レポートでは、日本の成長産業の変化を捉え、今後の成長の可能性を分析する。これからの日本の経済成長の鍵を見出すために、本レポートが一助となれば幸いである。

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