2020年8月の想定時価総額ランキングでは、ispaceとLooopがそれぞれ18位と19位に新規ランクインした。また、上位20社の想定時価総額が全て400億円超えを達成した。ispaceは2020年7月末に、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」Mission1ランダー(月着陸船)の最終デザインの完成を発表しており、2021年中に組み立てに着手し、2022年に打ち上げを予定している。登記簿情報から、2020年7月に新たに29.9億円の調達をしていたことが明らかになった。関連記事:宇宙とスタートアップをつなぐ。ispace社長・袴田氏の起業論
Looopは2020年6月に、ENEOS、NECキャピタルソリューション、双日、日本グリーン電力開発など全6社による28.3億円の資金調達を実施し、ENEOSとは資本業務提携を締結した。この調達と協業を通して発電やエネルギーマネジメントに関する同社の専門性に、各企業の新たな知見を集結した新サービスの開発や、全国規模の営業を強化していく方針だ。
累計資金調達金額をみると、2020年7月に資金調達を確認できた、Mobility Technologiesとispaceがランクインしていることが分かる。8位のMobility Technologiesは、2020年7月13日に、NTTドコモ、東京センチュリー、電通グループの3社との資本業務提携を発表している。これにより、2020年のこれまでの資金調達金額は最大266.25億円で、累計資金調達金額は20社中のトップである395.25億円となる見込みだ。同社はタクシーアプリ「JapanTaxi」と「MOV」の統合に伴い、全国約10万台のタクシーと提携する新たなタクシーアプリとして、「GO(ゴー)」を2020年9月にリリースする予定。まずは首都圏、京阪神を中心に全国17エリアでサービスを提供し、順次エリア・機能の拡充を行い、日本最大級のタクシーアプリを目指していく。今回新規で18位にランクインしたispaceも、登記簿情報より、2020年7月に新たに約30億円を調達していたことがわかった。これにより、設立から約10年で合計7回の資金調達を確認でき、累計資金調達金額は135.7億円となった。新規で19位にランクインしたLooopは、設立から9年で合計12回の資金調達を行っている。直近では、今年の6月30日に28.3億円を調達しており、累計資金調達金額は103.3億円にのぼる。今月は、累計資金調達金額が100億円を超える企業数は20社中12社となっており、前月より1社増という結果になった。
カテゴリー別にみると、環境・エネルギーと金融領域が最も多く、4社ずつランクインしており、自動車領域が3社でこれらに続く。先月からの変動をみると、自動車領域が1社減少し、航空・宇宙領域は1社増加している。先月ランクインしていた、自動運転システム「RoboCar」を開発するZMPと、大型リチウムイオン電池および蓄電システムを開発するエリーパワーがランキング外となった。これらに代わり、電力小売サービス「Looopでんき」などを運営するLooopと、航空・宇宙領域のispaceが新たにランクインした。その結果として、「航空・宇宙」が1社増加、「環境・エネルギー」は変動なし、「自動車」は1社減少となった。STARTUP DBでは次月以降も引き続き、想定時価総額ランキングと主要トピックに関する記事をリリースしていく。