2020年6月の想定時価総額ランキングでは、先月からの変化はなかった。累計資金調達金額をみてみると、トップは後払い決済サービスのPaidyとなっている。また、人工合成クモ糸のSpiber、AIを活用したモバイルヘルスケアアプリのFiNC technologiesもこれまでに大規模な資金調達を実施してきたことがわかる。そのほか、ニュースアプリを展開するスマートニュースと資産運用ロボアドバイザーのウェルスナビがこれに続く。次に、最終調達日に注目すると、想定時価総額ランキングTOP20社の内、13社が半年以上前に調達をしており、Spiber、Paidy、GVE、FiNC technologiesが今年に入って資金調達を実施していることが分かる。Paidyは今年4月にオンライン決済で大型加盟店との取引拡大とオフライン決済の新規展開を目的とした、伊藤忠商事からの第三者割当増資を受けたことも記憶に新しい。直近では、先月(2020年5月)から10位にランクインしたフィンテックのGVEが米ファンドのEvolution Capital Managementから資金調達を実施している。また、スタートアップ全体の1社平均資金調達額は7.6億円(STARTUP DB調べ)であるのに対し、今回ランクインしている20社の平均資金調達額は105.8億円と、約14倍の開きがあることがわかった。このことから、企業ごとに差はあるものの、想定時価総額が上位のスタートアップ企業は他企業に比べて多額の資金調達を実施してきている傾向があるようだ。
最後に、カテゴリー別では、環境・エネルギーと金融が4社ずつランクインしている。環境・エネルギーでは、電力小売を手掛けるパネイルや大型リチウムイオン電池の開発を行うエリーパワーなど。金融では、リキッドグループが最上位にランクインしている。他領域としては、自動運転システムの開発を行うティアフォーや、自律移動ロボットと自動運転ロボカーの開発を行うZMPなど、自動車分野の企業も3社みてとれる。STARTUP DBでは次月以降も引き続き、想定時価総額ランキングと主要トピックに関する記事をリリースしていく。