ランキングレポート

国内スタートアップ資金調達ランキング(2025年3月)

2025-04-08
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

2025年3月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。

製造業AIデータプラットフォームを運営するキャディは、シリーズCエクステンションラウンドで総額91億円を調達しトップに立った。
神経・精神疾患領域における新薬の開発・商業化を行うアキュリスファーマ、シリーズCラウンドで35億円(プレスリリースで発表された44億円から、登記簿で公表された調達金額を抜いた額)を調達し2位に続いた。

2025年3月の資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。

1位は製造業AIデータプラットフォームを運営するキャディで、シリーズCエクステンションラウンドで総額91億円を調達した。累計エクイティ調達額は257億3,000万円に達したという。

同社は、「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業AIデータプラットフォーム「CADDi」を提供している。同社は、製造業のサプライチェーンやエンジニアリングチェーンに点在するデータを解析・構造化し、生産活動と意思決定を高度化することで、製造業のDXを推進している。日本国内に加え、アメリカやベトナム、タイを含むグローバル展開を加速しており、T2D3を超える急成長を遂げるなど、SaaS分野においても世界トップクラスの評価を得ている。

今後は、製造業向けAI技術の開発や機能拡充、さらなるグローバル展開を推進していくそう。また、年内には製造業メーカーからの出資による追加ラウンドも予定しており、2030年までに年次経常収益(ARR)1,000億円規模のグローバルプラットフォームの構築を目指すという。

2位は神経・精神疾患領域における新薬の開発・商業化を行うアキュリスファーマで、シリーズCラウンドで総額35億円(プレスリリースで発表された44億円から、登記簿で公表された調達金額を抜いた額)を調達した。今回の調達により、累計資金調達額は140億円を超えたそう。

同社は、欧米の優れた医薬品を導入・開発・販売することで、ドラッグ・ラグやドラッグ・ロスといった日本特有の課題解決に取り組んでいる。主な開発品としては、てんかん重積状態への抗けいれん薬「ジアゼパム点鼻液」および過眠症や閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対するヒスタミンH3受容体拮抗薬「pitolisant」が挙げられる。

今回調達した資金は、ジアゼパム点鼻液およびpitolisantの日本国内における薬事申請および商業化準備の加速に充てられるそう。さらに、日本における新たな治療オプションの早期提供を目指して事業を進めていく方針だという。

3位は米国株資産運用アプリ「Bloomo」を運営するブルーモ証券で、シリーズAラウンドで総額20億円の資金調達を実施した。これにより、累計調達額は28億5,000万円に達したという。

米国株資産運用アプリ「Bloomo」は、初心者から経験者まで誰でも簡単に本格的なポートフォリオ投資が可能なサービスである。専門家や他ユーザーのポートフォリオをワンタップでコピーできる機能をはじめ、自動積立投資、リバランス機能、NISA対応など、日本の証券会社としては先進的な機能を備えている。サービスは2024年5月に一般公開され、App Storeで国内証券会社No.1の評価(4.7)を獲得するなど、利用者から高い支持を受けている。

調達資金は、米国外銘柄を含む取扱商品の拡充やスマート積立投資・複数ポートフォリオ管理機能などの開発、マーケティング活動の強化、人材採用の推進に活用されるという。また、「Bloomo for JFRカード」「Bloomo for 住信SBIネット銀行」などの提携展開も進めており、日本円現金口座の提供など、今後も複数のアップデートが計画されているそう。

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