2025年1月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
商売のDX化を支援するプラットフォームを運営するSTORESは、28億円を調達しトップに立った。
営業データプラットフォームを運営するインフォボックスがシリーズAラウンドで16億5,000万円を調達し2位に続いた。
2025年1月の資金調達額の合計をランキング形式で並べた。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計している。
1位は商売のDX化を支援するプラットフォームを運営するSTORESで、28億円を調達した。この金額は登記簿から推計したものである。
同社はオンラインストア開設サービス「STORES」やキャッシュレス決済サービス「STORESターミナル」を中心に、事業者のデジタル化を支援する「STORES デジタルストアプラットフォーム」を展開している。2023年には、コイニー社とストアーズ・ドット・ジェーピー社の経営統合を経て、個人や小規模事業者の経済活動を支援するサービスを強化。「Just for Fun」をコンセプトに、誰もが簡単に事業を始め、成長できる環境を提供している。
2位は営業データプラットフォームを提供するインフォボックスで、シリーズAラウンドにおいて総額16億5,000万円を調達した。この資金調達により、累計調達額は23億5,000万円に達したという。
同社は、BtoB市場における売り手と買い手のタイミングの不一致を解消する営業データプラットフォーム「infobox」を提供している。同プロダクトは2024年2月にリリースされ、リブランディングや開発投資を経てARR1億円を4ヶ月で達成するなど急成長している。資金はさらなる開発投資、マーケティング、人材採用に充てられ、顧客基盤の拡大を目指す。
調達した資金を活用して、営業データの質向上と市場拡大を進めることで、日本発のBtoBセールステック企業としての地位を強化する方針だという。これにより、買い手・売り手双方にとって新しい購買環境を創出し、業界全体の変革を目指すとしている。
3位は放射性医薬品の開発を手掛けるリンクメッドで、シリーズBファーストクローズとして15億円の第三者割当増資を実施した。今回の調達により、同社の累計調達額は約26億円に達した。
同社は、がん治療における放射線治療や化学療法の課題を解決するため、『放射性同位体64Cu(銅-64)』を用いた放射性医薬品の開発を進めている。64Cuはがん細胞に選択的に作用し、高い治療効果と副作用の低減が期待される。現在、同社の主力開発品である「64Cu-ATSM(LM001)」は、再発・難治性悪性神経膠腫の患者を対象とした第三相試験を2024年6月より開始している。また、64Cuを用いた放射性医薬品の国内生産体制の確立に向け、千葉市内に製造工場を建設中であり、創薬支援プラットフォームの構築も進めている。
今回の資金調達の主な用途として、LM001の第三相試験の推進や新規パイプラインの創出、64Cuの量産体制の確立、工場運営費の確保、研究開発や事業開発を支える人材採用・組織機能の強化などが挙げられている。同社は、がん治療の新たな選択肢を提供することを目指し、64Cuの放射性医薬品を国内外の患者へ届けることを視野に入れている。