2024年9月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
生成AI領域における基盤モデルの研究開発を行うSakana AIが、シリーズAラウンド合計300億円を調達しトップに立った。
脱炭素ソリューションを提供するクリーンエナジーコネクトが、総額121億円を調達し2位に続いた。
ランキングは以下の通り。(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)
1位は大規模言語モデル (LLM)の研究開発をするSakana AIで、NVIDIAを筆頭に、 Lux Capital、New Enterprise Associates、khosla venturesからのリード出資により、シリーズAラウンドで300億円(およそ2億米ドル)を調達した。
特にNVIDIAは、生成AI分野での技術的パートナーとして、研究開発やインフラ構築でSakana AIと協力していくという。
Sakana AIは、2023年7月に設立された新進気鋭のAI研究開発企業で、自然界の仕組みを参考にした新しいAI基盤モデルの開発に注力している。同社は小規模な生成AIモデルを効率的に組み合わせ、高性能かつ省エネルギーなAIを実現する技術を持つ点が強みである。巨大なコンピューターと大量のデータを用いる従来のAI開発手法とは一線を画し、特にコストや電力消費を抑えながら高い性能を発揮する技術が注目されている。また、同社の名前「サカナ(魚)」には、自然の進化や集団知能といったコンセプトが込められており、従来の手法にとらわれず新たなパラダイムを追求していく姿勢を表している。
NVIDIAとの協業により、同社は日本国内におけるAI研究開発の拠点を強化し、NVIDIAの最先端GPU技術を活用した省エネ型のAI開発を進めていくという。今後もAI人材育成やコミュニティの活性化に注力し、国際競争力を高めることを目指しているという。
2位は脱炭素ソリューションを提供するクリーンエナジーコネクトで、総額121億円を調達した。
法人向けグリーン電力・ソリューション事業を行うクリーンエナジーコネクトは、9月6日、Non-FIT低圧太陽光発電所の開発に向けて、グリーンプロジェクトボンドとメザニンローンを通じて総額121億円の資金調達(横浜銀行からの12億円のコーポレートファイナンスを含む)を実施したことを発表した。これにより、同社の累計資金調達額は518億円に達するという。
同社は、Non-FIT再生可能エネルギー発電を中心に、RE100参加企業や脱炭素を目指す企業を支援している。顧客の脱炭素目標達成に向けた計画立案から実行、運用後の効果検証までをワンストップで提供するだけでなく、蓄電池や風力発電なども組み合わせることで、再生可能エネルギーの利用率向上にも注力している。
今回の資金調達は、800箇所、72MW-DCのNon-FIT低圧太陽光発電所の開発を目的としており、年間で7,610万kWhの再生可能エネルギー発電を見込んでいるという。同社は、今後も最先端のグリーン電力ソリューションを提供し、気候変動問題の解決に向けた具体的な取り組みを進めていくとしている。
3位は中四国初のAI開発用GPU専用データセンターハイレゾ香川で、総額100億円を調達した。
日本政策投資銀行やみずほ銀行などは、ハイレゾが香川県につくる生成AI向けのデータセンターに総額100億円を投融資すると発表した。この取り組みは、地域経済の活性化や競争力の強化を目指すプロジェクトとして進められている。
ハイレゾ香川は、親会社であるハイレゾが香川県に設立した特別目的会社であり、香川県内の既存研究施設「RISTかがわ」や廃校となった「旧綾上中学校」の体育館を一部改装し、データセンターを開発する計画だ。都心部に集中しがちなデータセンターを地方の施設に設置することで、開発コストを抑え、国内の幅広い事業者に対し、低価格でAI向けサービスを提供することを目指している。
このシンジケート・ローンにより、同社は地域経済の活性化を図るとともに、今後も国内におけるAIインフラの重要拠点として事業拡大を進めていく意向を示している。
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