2024年4月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
ランキングは以下の通り。
(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)
1位はメンバーシップ制セカンドホームサービスを提供するSanuで、70億円調達した。
Sanuは、"都市か、地方か"という選択に対し、第三の選択肢として"都市と自然を軽やかに行き来する生活"を提案している不動産テック企業である。日本各地に、環境共生型のリジェネラティブな建築を建設し、ITによる無人管理を通じて特定多数の会員がシェアすることができるプラットフォーム「SANU 2nd Home」を構築している。日本の課題である人口減少社会における地方の過疎化に対して、新しいライフスタイルを提供しているという。
今後の展望として、Sanuは2025年までに北海道ニセコから鹿児島奄美まで拠点を広げ、30拠点200室を目指し、国内最大の拠点数を持つ会員制別荘事業者を目指していくそう。また、2028年には全国およびグローバルに100拠点を目標とし、地域経済の活性化に寄与することを計画している。
2位は住宅用太陽光発電システムをはじめとする蓄電池設置を推進し、エネルギーの自家消費・地産地消を促進するシェアリングエネルギーで、32億7,000万円調達した。
国内外において、昨今再生可能エネルギーの需要が高まりを受け、シェアリングエネルギーが提供している太陽光の第三者保有サービス「シェアでんき」は、電気代の削減のみならず脱炭素を推進する企業のリブランディングへの需要が高まっているという。現在このサービスは、全国で17,000件(2024年3月時点)を超える契約があるという。
3位はあらゆる条件下において車が人間の代わりに運転操作を行う「完全自動運転」を実現するために開発を進めるTuringでプレシリーズAラウンド前半30億円調達した。
ANRIをリード投資家とし、デジタルハーツホールディングス、DIMENSION、未来創造キャピタル、みずほキャピタル、NTTドコモ・ベンチャーズ、ヤンマーベンチャーズ、Z Venture Capital、そのほか個人投資家などの出資によるものである。
Turingは、カメラから取得したデータのみで運転に必要なすべての判断をAIが行うE2E(End-to-End)の自動運転開発に取り組むスタートアップ。走行データに存在しない状況でも、倫理的に対応可能なシステムを構築し、ルールベースでは到達困難なレベル5の完全自動運転実現を目指しているという。
今回の資金調達は、新しい計算基盤「Gaggle Cluster」の構築と、2025年の実用化を目指す「Tokyo30」プロジェクトに充てられるそう。また、MLエンジニアの積極採用を通じて開発体制を強化する計画だという。
4位はエネルギー取引マーケットプレイスを運営するenechainで、29億9,000万円調達した。
enechainは、あらゆるユーザーが、オンライン上のマーケットプレイスにて、電力やLNGといったエネルギー商品を、ワンクリックで自由に売買できる世界の実現を目指した会社でeSquareという、電力や燃料、環境価値といったエネルギー商品をオンライン上で売り買いできるマーケットプレイスを運営している。このサービスを通して取引することで、取引相手となる企業を探す手間や、取引の度に個別に交渉する膨大なコスト、取引時の相手方の信用リスクの低減をサポートしているという。