2023年2月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。
「宇宙ごみ」とも呼ばれるスペースデブリの除去などに取り組むアストロスケールホールディングスがシリーズGで調達した100億8,000万円がトップだった。2位は支出管理サービスを手掛けるLayerXの54億7,000万円で、クラウド型企業情報データベースを手掛けるBaseconnectが僅差で3位だった。ランキングは以下の通り。
(2023年1月以前に資金調達が実施され、2月に発表されたものも含む)
1位はシリーズGで100億8,000万円を調達したアストロスケールホールディングスだった。三菱電機や、アパレルEC(電子商取引)・ZOZOの創業者として知られる実業家の前澤友作氏らが出資した。累計調達額は435億円になった。
アストロスケールは「宇宙ごみ」とも呼ばれるスペースデブリの除去などの「軌道上サービス」に取り組むスタートアップ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、スペースデブリは役割を終えた人工衛星や打ち上げロケットの上段などから発生するもので、気象衛星など、宇宙空間で使用される人工物である「宇宙機」に衝突した場合、壊滅的な被害が生まれるおそれもある。
アストロスケールはこれに対し、▽運用終了した衛星のデブリ化防止や▽既存デブリの除去などに取り組んでいる。調達した資金は、技術開発やグローバルな事業展開や供給能力の向上などに充てられるという。
2位は支出管理サービスを手掛けるLayerXの54億7,000万円だった。同社の「バクラク」は請求書の処理や経費精算、それに法人カードなど企業の支出に関する業務をAIなどのサポートで効率化させる。サービス開始から2年で導入社数は3,000を超えたという。
調達した資金はバクラクの開発やマーケティングなどに充てる。また、法人支出データを中心に、複数のプロダクトを展開することで課題解決を図る「コンパウンドスタートアップ」として、継続的に新しいプロダクトを提供していくとしている。
54億円で僅差の3位となったのはBaseconnectだ。同社の「Musubu」は法人営業を効率化させる機能を備えた企業情報データベース。上場・未上場企業など140万件以上のデータを網羅するだけでなく、ターゲット企業へのメール配信や顧客管理機能などを兼ね備える。
累計調達額は82億円となった。調達した資金を元手に、Musubuの機能やデータの拡充、それに経営チームの組成に向けた採用活動などを進めていく方針だ。
4位のSTORESはGoogleから資金調達を実施。Googleと連携してネットショップの運営者向けに集客機能を提供していくとしている。
5位の五常・アンド・カンパニーは途上国で中小零細事業向け小口金融(マイクロファイナンス)サービスを展開するスタートアップ。官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)から30億円を調達している。
2月までの資金調達額の合計をランキング形式で並べた。なおこちらは発表日ではなく、原則的に登記簿から取得した調達日を基にしている。
1位と2位は、2月と同じくアストロスケールとLayerXだった。
3位はメタバース・プラットフォームを手掛けるクラスターで49億5,000万円。同社の「cluster」では、バーチャル空間で音楽ライブやカンファレンスなどに参加することができる。
4位は「シェアリング型統合マーケティング事業」を手掛けるブリーチで46億円。みずほ銀行とりそな銀行をアレンジャーとしたシンジケートローンによるもので、「無担保・無保証・好条件での資金調達」(同社発表)となったという。
ブリーチは、クライアントの商品企画から広告の作成・運用までを支援する。広告費用の前払い分を求めずにブリーチ側で肩代わりし、商品が売れた後に収入をシェアするという形態を取る。
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STARTUP DBは次月以降も引き続き、国内スタートアップ資金調達金額ランキングや主要トピックに関する記事をリリースしていく。
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