国内スタートアップ資金調達ランキング(2020年1-10月)では、新たにSpiberが6位に、アストロスケールホールディングスが9位にランクインした。その他、Looopが4位に、アンドパッドが7位にランクアップした。
構造タンパク質素材「Brewed Protein(ブリュード・ プロテイン)」を開発するSpiberは、米国の穀物メジャーであるArcher Daniels Midland Company(以下、ADM)を引受先とする59億7,000万円の資金調達を実施。ADMと「Brewed Protein」の米国での量産における業務提携及び製造委託を締結し、今まで以上にパートナーシップを拡大させる方針だ。
アストロスケールホールディングスは、持続可能な宇宙利用を目指しシンガポールを拠点にスペースデブリ(宇宙ごみ、デブリ)除去サービスに取り組むスタートアップ。同社は、エースタートをリードインベスタートし、アイネット、宇宙フロンティアファンドを管理するスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー、清水建設を引受先とする、シリーズE総額約55億円の第三者割当増資を実施。今回の調達により、累計資金調達額は約210億円に達した。
Looopは、再生可能エネルギーを中心としたエネルギーサービスを提供するスタートアップ。同社は、2020年6月の総額28億3,000万円の資金調達実施以降、さらに融資を受けたことでランクアップ。2020年の融資情報は、Looopから直接情報提供をいただいた。調達資金は、発電所の開発・運用利用される予定だ。
クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を提供するアンドパッドは、シリーズCエクステンションラウンドとしてリードインベスターにMinerva Growth Partners、世界屈指のベンチャーキャピタルSequoia Capitalを引受先とする20億円の資金調達を実施。シリーズCラウンドの累計調達額は約60億円となった。今回の資金調達は、両投資家ともに日本における投資第1号案件である。同社は、SaaS関連企業やDX関連企業への豊富な投資経験を持つ国際投資家の知見を活用することで、プラットフォーム戦略を加速し、建設業界のDX化を推進していく方針だ。
カテゴリー別では、金融領域と環境・エネルギーが4社、次いで自動車が3社となった。
環境・エネルギー領域では、前述したSpiber、電力コストの経営課題を解決するVPP Japan、次世代リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を行うAPB、再生可能エネルギーなどの電力小売サービス「Looopでんき」を提供するLooopが名を連ねた。この4社はいずれも今年に入って55億円以上の資金を集めている。
突出して社数の多いカテゴリーがないことから、様々な分野の企業が大型調達をしていることがわかる。
今回ランクインした企業のうち累計資金調達金額100億円を突破している企業は、先月リリースの国内スタートアップ資金調達ランキング(2020年1-9月)でもランクインをしたMobility Technologies、VPP Japan、ヘイ、Looop、アストロスケールホールディングス、Paidy、ティアフォー、五常・アンド・カンパニー、FiNC Technologiesの他、Spiberが新たに加わり10社となった。
ランクイン企業20社のうち、設立5年以内の企業は全体の半数の10社となっている。中でも、VPP Japan、アストロスケールホールディングス、ティアフォーは設立5年以内で累計資金調達金額が100億円を超えていることがわかる。
STARTUP DBでは次月以降も引き続き、資金調達ランキングと主要トピックに関する記事をリリースしていく。