ランキングレポート

国内スタートアップ資金調達金額ランキング(2020年1月)

2020-02-13
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

首位のInagoraホールディングスを含む2社が50億円以上の資金調達を実施

首位のInagoraホールディングスを含む2社が50億円以上の資金調達を実施

日本の製品を購入できる中国向けの越境ECサービスを手掛けるInagoraホールディングスが、総額53億円の調達に成功し、2020年1月の資金調達ランキングでは首位となった。Inagoraホールディングスは資金調達と同時に、金融・エネルギーなど多くの事業を傘下に持ち、香港に拠点を置くコングロマリットであるCITICグループとの業務提携を発表。新たな中国人顧客の獲得と販売チャネルの拡大を図っていく。また、同時にスギ薬局との業務提携も実施、日本企業と中国消費者をつなげるB to B to C越境ECプラットフォームの拡大を進めていく。メタップス創業者の佐藤航陽氏が代表を務めるタイムバンクも、39.5億円の大型調達を実施。これは、空き時間や余剰在庫を利用者に安価に提供するマーケットプレイスの運営を行う同社初の外部資金調達となる。今後は、さらなる認知度アップを目的とした広告や事業開拓を進めていく見込みだ。モバイルへルスケアを手掛けるFiNC Technologiesは34億円の資金調達を実施し、累計調達額は150億円を突破し、2020年2月時点国内スタートアップ時価総額ランキング記事でも11位にランクインしている。今後はAIの開発や、新規事業の拡大、さらにマーケティング強化を図っていく方針である。領域別でみると、医療分野の企業が4社ランクイン。FiNC Technologiesヒューマンライフコードミラバイオロジクスセルージョンがそれにあたる。また、EC分野の企業も続き、InagoraホールディングスタイムバンクSpartyなど3社がランクイン。2020年2月以降もどのスタートアップが資金調達をして成長していくのか注目していきたい。

ピックアップ企業

Inagoraホールディングス

調達金額:53億円引受先企業:SBIホールディングス/スギホールディングス/信金投資控股有限公司

中国向け越境ECサービス「豌豆公主(ワンドウ)」を手掛けるスタートアップ。ターゲットは、中国の富裕層、新中流階級であり、より質の高い製品を求める層に対して、手軽に日本の製品を手に入れることができるサービスを提供している。中国消費者に日本製品や企業ブランドの魅力を伝え、日本のライフスタイルを提案する多角的なコンテンツやアプリ内のSNS機能を通じた拡散も行う。

H.I.F

調達金額:50億円引受先企業:あおぞら銀行(融資コミットメントライン契約による調達)

エイチ・アイ・エスの子会社として、決済代行・信用保証サービス「Fimple決済」を展開するスタートアップ。「Fimple決済」は、入金保証付企業間請求代行サービス。顧客の請求業務を格安で代行することにより、請求業務にかかる人件費の削減などのコストを削減できる。また売掛債権の保証を行うことで、債権回収リスクのない安全な取引を実現している。

タイムバンク

調達金額:39.5億円引受先企業:LINE Ventures/インキュベイトファンド/ジャフコ

スキマ時間を活かしてショッピングや食事、宿泊が格安で体験できる「タイムバンク」の運営を行うスタートアップ。空いている時間を活用して食事や美容室が半額で体験でき、タイムセールで商品が格安で購入できる。ユーザーはスマホアプリをダウンロードすることで、運営の仲介により決済をアプリ上で直接おこなうことができ、購入したい商品や体験したいサービスを、スムーズかつリーズナブルに手にできる仕組みだ。

FiNC Technologies

調達金額:34億円引受先企業:出資元不明

予防領域に特化したモバイルヘルスケアを行うスタートアップ。主なサービスは、特許を取得したパーソナルトレーナーAIを内蔵した「FiNC アプリ」だ。個人に毎日の歩数・体重・睡眠・食事といったライフログを記録し、お客様一人ひとりの興味や悩みに合ったアドバイスを届ける。

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