ニュースサマリー

「植物肉」工場を熊本に...DAIZが複数手法組み合わせ71億円を調達。「グロースフェーズ」の資金需要に応える、BNV3号ファンド【最新スタートアップニュース】

2023-10-16
STARTUPS JOURNAL編集部
Editor
STARTUPS JOURNAL編集部

国内の成長産業やスタートアップに関する幅広い情報を収集・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「STARTUP DB」では毎週、スタートアップニュースサマリーを配信している。

「植物肉」工場へ投資 「ミラクルミート」DAIZが71億円調達 

大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するDAIZは10月12日、複数の調達手法を組み合わせて71億円を調達したと発表した。2025年2月操業予定の植物肉工場への投資などに充てる。

DAIZは発芽直後の大豆に由来する植物肉「ミラクルミート」を開発する。同社の落合孝次・取締役研究開発部長が考案した「落合式ハイプレッシャー法」により、うまみ成分やビタミンが豊富に含まれる植物肉を作り出せるとする。

調達にあたっては、経済産業省の認定を受けた企業が中小企業基盤整備機構による債務保証を受けられる「ディープテックベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度」を活用した。

これ以外にも、輸出や海外展開に取り組む企業を農林水産省が支援する「農林水産物・食品輸出基盤強化資金」の認定を受け、制度を通じて合計34億円をデットファイナンス(用語解説)で調達した。

さらに、シリーズCラウンドとしてエクイティファイナンス(用語解説)も実施し、今回ラウンドの調達総額を71億円とした。発表によると、バリュエーション(評価額)は前回調達時よりも上昇したという。

脱炭素経営を支援 アスエネが20億円を調達

脱炭素経営を支援するクラウドサービスなどを展開するアスエネは10月10日、融資などにより20億円を調達したと発表した。累計の資金調達額は51億円となった。

同社のクラウドサービス「アスエネ」は、企業活動に伴い発生するCO2(二酸化酸素)排出量を可視化するとともに、削減に向けた施策も提案する。発表によるとこれまでに4,000を超える企業や自治体が導入しているという。また、サプライチェーンのESGリスクを評価し、改善を支援するサービスなども手がけている。

調達した資金はサービスの拡販に加え、人材採用などにも充てられるという。

グロースフェーズにも資金供給を BNVが3号ファンド

研究開発型スタートアップを対象に投資する独立系VCのBeyond Next Venturesは10月11日、最大で250億円規模を目標とする3号ファンドを設立したと発表した。すでに100億円を超える出資を受けていて、募集活動を継続していく。

Beyond Next Venturesは、創業まもない「シード」や「アーリー」ステージのスタートアップを主な対象として投資してきた。一方で、国内ではグロースフェーズにおける資金確保の難しさが課題になっているとし、新しい3号ファンドでは1社あたりに投資する累積金額を従来の3倍に引き上げ、事業が軌道に乗った後の資金需要にも応えていく。ファンドの運用期間も延長込みで最長14年とした。

投資社数は20社から25社程度を見込む。医療・ヘルスケア、創薬・バイオ、アグリ・フード、デジタル・宇宙、クライメートテックを主な対象領域として想定している。

注目の資金調達企業

DAIZ

調達額:71億円
調達先:三菱UFJ銀行(アレンジャー兼エージェント) / 農林中央金庫(コアレンジャー) / 他6行含む / 日本政策金融公庫 / Roquette Frères / 日清製粉グループ本社 / ミヨシ油脂 / JA三井リース / 鹿児島銀行 / 熊本第一信用金庫 / 海外需要開拓支援機構 / 三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合 / MSIVC2021Ⅴ投資事業有限責任組合 / アグリビジネス投資育成 / Golden Asia Fund Ⅲ, L.P.
備考:ディープテックベンチャーへの民間融資に対する債務保証制度と農林水産物・食品輸出基盤強化資金の併用により34億円を調達

アスエネ

調達額:20億円
調達先:三井住友銀行 / 商工中金 / 日本政策金融公庫 / 横浜銀行 / 常陽銀行
備考:累計資金調達額は約51億円

HAKKI AFRICA

調達額:15億8,000万円
調達先:SBIグループ(リード) / QRインベストメント / DEEPCORE / HAKOBUNE / 北國銀行 / ファルス / 大和ブルーフィナンシャル / ミュージックセキュリティーズ / メガバンク1行含む
備考:シリーズBラウンド1stクローズ / SBIグループからは第三者割当増資と融資にて調達

ACROVE

調達額:11億4,000万円
調達先:日本郵政キャピタル / 静岡キャピタル / SMBCベンチャーキャピタル / 広島ベンチャーキャピタル / りそなキャピタル / 静岡銀行 / あおぞら企業投資 / 東日本銀行 / 大和ブルーフィナンシャル / 大日本印刷 / ベクトル

Super Massive Global

調達額:7億5,000万円
調達先:桑野隆司 / 福留大士
備考:プレシリーズAラウンド

注目のスタートアップニュース

Beyond Next Ventures3号投資事業有限責任組合

Beyond Next Ventures、ディープテックに特化した3号ファンドを設立
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000138.000017460.html (2023/10/10)

ICJ2号ファンド投資事業有限責任組合

ESGベンチャー投資『ICJ2号ファンド』66億円でファイナルクローズのお知らせ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000064719.html (2023/10/13)

グラファー

グラファー、TOPPANグループへ法人向け生成AI活用プラットフォーム「Graffer AI Studio」を提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000038525.html (2023/10/13)

資本業務提携ニュース

トータルブレインケア × 日本旅行

生涯現役社会の実現にむけて、就労期から高齢期における様々な社会課題の解決に貢献しきたいとしている。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000813.000004858.html (2023/10/11)

セレンディクス × 新昭和

両社が注文住宅で培ってきた技術やノウハウを活かした住まいづくりの知見の相乗効果を見込む。

https://www.atpress.ne.jp/news/372043 (2023/10/11)

無料メールマガジンのご案内

無料のメルマガ会員にご登録頂くと、記事の更新情報を受け取れます。プレスリリースなどの公開情報からは決して見えない、スタートアップの深掘り情報を見逃さずにキャッチできます。さらに「どんな投資家から・いつ・どれくらいの金額を調達したのか」が分かるファイナンス情報も閲覧可能に。「ファイナンス情報+アナリストによる取材」でスタートアップへの理解を圧倒的に深めます。