ニュースサマリー

iPS細胞由来の卵子を利用した生殖補助医療の開発を目指すDioseve、シリーズAラウンドで10億円の資金調達を実施。再生医療研究開発のHeartseed、東証グロース市場への上場承認。【最新スタートアップニュース】

2024-07-01
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

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▼トピックス

・iPS細胞由来の卵子を利用した生殖補助医療の開発を目指すDioseve、シリーズAラウンドで10億円の資金調達を実施!iPS細胞から卵子を作製する技術を用いた新規不妊治療法「DIOLs」の提供を目指していくそう。

・再生医療研究開発のHeartseed、東証グロース市場への上場承認!再生医療を「当たり前の治療法」にすることを最終目標として目指していくそう。

・米ヘッジファンド運営会社Citadel、有力電力卸会社エナジーグリッドの全株式を取得!直近では米資本による初めての日本エネルギー卸売市場への大型投資となる。

iPS細胞由来の卵子を利用した生殖補助医療の開発を目指すDioseve、シリーズAラウンドで総額10億円の資金調達を完了

iPS細胞の分化誘導により卵子細胞を短期間に大量に作成する技術「DIOLs(Directly Induced Oocyte-like cells)」の開発を行うDioseveは、シリーズAラウンドで総額10億円の資金調達を完了したと発表した。

今回の調達は、リード投資家としてSpiral Capitalアーキタイプベンチャーズ、既存投資家としてANRI、その他にDG Daiwa Venturesあすかイノベーション投資事業有限責任組合北陸地域ベンチャー投資事業有限責任組合などを引受先とした第三者割当増資によるものである。これにより、Dioseveの累計資金調達額は14億2,000万円に達したという。

Dioseveは、技術革新が停滞していた生殖補助医療分野において、iPS細胞から卵子を作製する技術を活用し、妊娠適齢期にとらわれない新たな選択肢を提供することを目指しているそうだ。これにより、全てのカップルが望むタイミングで子供を持つことが可能となるという。

今回の資金調達により、Dioseveはパイプラインの研究開発やグローバル展開を進めるための人員拡充を行う予定であるという。さらに、iPS細胞から卵子を作製する技術を用いた新規不妊治療法「DIOLs」の提供や、年齢や体質に関係なく子供を持てる社会の実現を目指しているという。

マンガ機械翻訳に特化したMantra、7.8億円の資金調達を実施

機械翻訳サービス「Mantra Engine」を開発をするMantraは、6月26日、集英社小学館KADOKAWAスクウェア・エニックスなどから総額約7億8,000万円の資金調達を実施したと発表した。

「Mantra Engine」は、マンガに特化したクラウド翻訳ツールであり、AI技術を活用することで従来の翻訳作業を半分以下の時間で実現する。現在、国内外の出版社や翻訳会社に利用されており、月間10万ページのマンガ翻訳に活用されている。また、マンガ画像認識技術と大規模言語モデル(LLM)を統合し、文脈理解に基づいた高精度な翻訳を可能にしている。

今後はマンガAI翻訳の精度向上とともに、小説やゲーム、動画への技術転用も進める予定である。エンタメコンテンツから言語の壁をなくし、グローバル展開を加速することを目指していくそうだ。

再生医療研究開発のHeartseed、東京証券取引所グロース市場に7月新規上場へ

iPS細胞由来の再生心筋により、重症心不全患者の治療を目指す慶應義塾大学発Heartseedは、本日東京証券取引所グロース市場への新規上場が承認され、2024年7月30日に上場予定である。

Heartseedは、従来の細胞治療とは異なり、弱まった心臓を再生心筋で置き換える"Remuscularization(心筋補填療法)"技術を開発して、より効果的な心筋再生を目指している。リードパイプラインであるHS-001は、他の人のiPS細胞から作製された心筋球を用いた治療法であり、現在第I/II相の治験(LAPiS試験)が進行中だそう。2022年12月には初の患者への投与が行われ、安全性評価も順調に進んでいるという。

今後も研究開発および臨床開発に注力し、再生医療を「当たり前の治療法」にすることを最終目標として目指していくそうだ。

注目の資金調達企業

Dioseve

調達額:10億円
調達先:Spiral Capital(リード) / アーキタイプベンチャーズ(リード) / ANRI / DG Daiwa Ventures / あすかイノベーション投資事業有限責任組合 / 北陸地域ベンチャー投資事業有限責任組合 / その他個人投資家からの調達
備考:シリーズAラウンド / 累計調達額は14億2,000万円

Mantra

調達額:7億8,000万円
調達先:集英社 / 小学館 / KADOKAWA / スクウェア・エニックス・ホールディングス / MPower Partners Fund L.P. / 浜垣剛

Quollio Technologies

調達額:7億5,000万円
調達先:ディー・エヌ・エックス・ベンチャーズ(リード) / 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ / インキュベイトファンド
備考:シリーズAラウンド / 累計調達額は10億円

トヨコー

調達額:4億6,000万円
調達先:大和ハウスグループ共創共生1号投資事業有限責任組合 / マーキュリア・サプライチェーン投資事業有限責任組合 / 九州電力 / タスク
備考:シリーズCラウンド / 累計調達額は24億円

ペリオセラピア

調達額:3億9,000万円
調達先:OUVC1号投資事業有限責任組合(リード) / 三菱UFJライフサイエンス2号投資事業有限責任組合(リード) / 千島土地 / テクノサイエンス / エーザイ
備考:シリーズDラウンド追加調達

注目のスタートアップニュース

株式会社Lightblue、中村 隆夫氏 社外取締役就任のお知らせ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000038247.html (2024/6/25)

デジタルガレージ、スタートアップ育成・投資プログラム「Open Network Lab Seed Accelerator Program 第29期」の募集開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000370.000023393.html (2024/6/25)

グラファー、ノープロンプトで生成AIを活用できる「Graffer AI タスクライブラリ」を提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000038525.html (2024/6/27)

資本業務提携ニュース

ORENDA WORLD × RKB毎日放送

次世代デジタルコンテンツの開発をはじめとしたAI領域での業務拡大や、仮想空間領域などのAIとテクノロジーを駆使した新たなエンタテインメントの可能性を模索していく方針だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000101429.html (2024/6/27)

ソラリス × JR東日本スタートアップ

ミミズ型管内走行ロボットによるメンテナンス業務の変革を目指す方針だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000281.000034286.html (2024/6/28)

FISTBUMP × サイボウズ

広告宣伝の強化と人材採用による組織体制強化に向けた取り組みを加速させる方針だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000059474.html (2024/6/28)

M&Aニュース

オートロ

M&A発表日:2024/6/21
取得日:2024/6/28
買収額:6億円(全株式取得)
買収先:オープングループ

エナジーグリッド

M&A発表日:2024/6/28
取得日:第3四半期 (10-12月期)
買収額:非公開(全株式取得)
買収先:Citadel

IPOニュース

【新規上場承認企業】

Liberaware

上場承認日:2024/6/25
上場予定日:2024/7/29

Heartseed

上場承認日:2024/6/26
上場予定日:2024/7/30

Faber Company

上場承認日:2024/6/27
上場予定日:2024/7/31

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