国内の成長産業やスタートアップに関する幅広い情報を収集・整理し、検索可能にした情報プラットフォーム「STARTUP DB」では毎週、スタートアップニュースサマリーを配信している。
海から離れた陸上でも魚の養殖ができる「閉鎖循環式陸上養殖」を手がけるFRDジャパンは7月20日、第三者割当増資で210億円を調達したほか、複数の金融機関との間で融資契約を締結したと発表した。
FRDジャパンはバクテリアを活用した高度濾過技術を持ち、天然海水を使わずに陸上で魚が養殖できる「閉鎖循環式陸上養殖」を展開している。これまで千葉県木更津市と埼玉県さいたま市の実証実験プラントで5年間、サーモントラウトの養殖を続けてきた。
同社はこうした運営経験から「独自の閉鎖循環システムの改良と、養殖オペレーションの効率化の両面において、商業プラントに着手するだけの十分な知見を積み上げてきた」とし、千葉県富津市にて商業プラントの建造に踏み切る。
プラントは2023年7月に着工する予定で、2027年からは、年間3,500トン規模のサーモントラウトを生産・販売したいとしている。
日本だけでなくアジア圏での陸上養殖プラントの展開も見込む。調達は、第三者割当増資による210億円と「ブルーサステナビリティファイナンス」という枠組みを活用した融資によるもの。これは海洋環境や海洋資源などの保全に貢献する事業に関する資金調達を指し、FRDジャパンは実施に際して外部機関の適合性評価を受けているという。
小型SAR(Synthetic Aperture Radar=合成開口レーダー)衛星の開発・運用などを手がけるSynspectiveは7月20日、複数の金融機関が組成したシンジケートローンで50億円を調達する契約を結んだと発表した。
SARは電波を使用して地表の画像を得る。時間帯や天候に左右されず地表の様子を高精度に観測できる点が特徴だ。Synspectiveはこれまでに3機の小型SAR衛星を打ち上げていて、2020年代後半には30機のコンステレーション(衛星群)を構築することを目指す。
これにより、「世界のどの地域で災害が発生しても、準リアルタイムに観測することが可能」(同社発表)となるという。調達にあたっては、中小機構の「革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度」の適用を受けた。
これは研究開発成果の事業化を目指すスタートアップが、特定の法律に基づく認定を受けるなどした場合に活用できるもので、中小機構は元本の50%(25億円)を債務保証することになっている。
独立系VC(ベンチャーキャピタル)のAngel Bridgeは7月19日、100億円規模の2号ファンド・Angel Bridge Unicorn Fund2号投資事業有限責任組合の募集を終え、運用を開始したと発表した。
「日本の経済を牽引するようなスタートアップ」の創出を目指す。Angel Bridgeはこれまでに、2015年と19年に組成したファンドを通じ22社に総額52億円を投資してきた。
創設まもない「シード」から製品やサービスの拡大を狙う「アーリー」ステージを中心に、資金だけでなく組織や経営サイクルなどの面からも支援を続けてきたという。
2号ファンドはすでに11社に対し総額27億円の投資を実行している。大学発スタートアップやディープテック領域、それにITサービスなどを対象に投資を実行していく方針だという。
調達額:210億円調達先:エア・ウォーター / STIフードホールディングス / 積水化学工業 / 長谷工コーポレーション / 三井住友信託銀行 / 三井物産 / 三菱UFJ銀行 /京葉銀行 /三井住友信託銀行 / りそな銀行備考:京葉銀行 /三井住友信託銀行 / りそな銀行はブルーサステナビリティファイナンスを活用した融資
調達額:50億円調達先:三菱UFJ銀行(アレンジャー) / みずほ銀行 (コアレンジャー) / 商工組合中央金庫 / りそな銀行備考:独立行政法人中小企業基盤整備機構による革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度を活用 / シンジケートローンによる融資契約を締結(期間5年)
調達額:20億円調達先:モバイル・インターネットキャピタル / 環境エネルギー投資 / PC‐SBI投資事業有限責任組合 / SMBCベンチャーキャピタル / 三井住友銀行 / りそな銀行 / 西武信用金庫 / 日本政策金融公庫 / 肥後銀行 / 商工組合中央金庫備考:シリーズBラウンド/その他事業会社2社を含む
調達額:17億円調達先: IFAC(リード) / SMBCベンチャーキャピタル(リード) / DBJキャピタル / GMO Venture Partners / みずほキャピタル / ウイング・キャピタル・パートナーズ / ヒューリックスタートアップ / 大分ベンチャーキャピタル / 山口キャピタル / 慶應イノベーション・イニシアティブ
調達額:10億円調達先:ジャフコグループ備考:シリーズD 1st close / 国内外の大手事業会社からの出資含む
名古屋のソフトバンク系、ファンド組成完了 15組織出資https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD18C820Y3A710C2000000/ (2023/07/19)
独立系ベンチャーキャピタルのAngel Bridge、大手機関投資家などによるLP出資のもと100億円規模の2号ファンドを設立https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000118632.html (2023/07/19)
SHE、企業とリスキリング人材のマッチングから定着・活躍まで伴走支援するサービス「SHE WORKS」を提供開始https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000206.000027564.html (2023/07/21)
地域・沿線の魅力発信と、沿線の住民同士が支え合う暮らしやすいまちづくりにむけた取り組みをさらに加速させるとしている。
https://digital-shift.jp/flash_news/FN230720_2 (2023/07/20)
今後は両社の連携を強化し、双方の顧客に対してより良いサービスを提供するとともに、社会的な課題解決や事業の成長に貢献していくとしている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000117955.html (2023/07/20)
STARTUP DBは2023年8月に、2023年上半期版の投資動向レポートを公開する予定です。昨年から大好評の、レポート公開に合わせた解説セミナーを今年も開催します。2023年1月から6月までの国内スタートアップの投資動向を、スタートアップ、投資家、IPO、M&Aなどの多様な切り口で、前年との比較を交えながら紐解くレポート。市況の冷え込みが続くなか、国内スタートアップの資金調達はどのような変遷をたどったのか。独自調査による最新レポートをグラフィックで視覚化しながら、スタートアップの今と下半期の展望を読み解いていきます。(詳しくはこちら)
スタートアップに「脱・東京」の動きはある?移転先の人気1位は神奈川県、研究開発や住環境の改善見込む(リリース日:2023/07/21)