ランキングレポート

国内スタートアップ資金調達ランキング(2024年7月)

2024-08-09
STARTUPS JOURNAL編集部
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STARTUPS JOURNAL編集部

2024年7月に発表された資金調達を金額ベースでランキング形式にまとめた。

クラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRが、シリーズEラウンドで214億円を調達しトップに立った。
ライドシェアサービスを運営するnewmoが、シリーズA 1stクローズで100億円を調達し2位に続いた。

ランキングは以下の通り。
(登記簿から確認された調達、もしくは発表日をベースに集計している)

1位は労務業務を効率化するクラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRで、第三者割当増資およびセカンダリー取引によりシリーズEラウンドで214億円を調達した。

SmartHRは、HRテクノロジー領域でのリーディングカンパニーとして、労務管理機能を中心に事業を展開している。2019年からはタレントマネジメント領域にも参入し、新たなプロダクトの開発を進めており、現在では30%を超える既存ユーザー企業がタレントマネジメント機能を利用しているという。2024年2月にはARR150億円を突破し、直近では「HRアナリティクス」や「学習管理(LMS)」などの新規プロダクトも提供を開始している。

今回の調達により、HRテクノロジー領域での新たなプロダクト開発やS&M組織の拡大を進める予定であるという。また、M&AやAIなどの新技術への投資も行い、マルチプロダクト化を目指していくとしている。

2位はライドシェアサービスを運営するnewmoで、シリーズA 1stクローズで100億円を調達した。

newmoは、「利用者視点に立ったサステナブルな地域交通」の実現を目指し、2024年1月に設立されたスタートアップである。日本国内では人手不足や高齢化が進行しており、バス路線の廃止やタクシー運転手の減少が問題となっている。こうした背景の中、newmoはタクシー事業およびライドシェア事業を通じて、地域交通の課題を解決することを目指している。同社は、すでに大阪でタクシー事業を展開する岸交や未来都の経営権を取得し、646台のタクシー車両を保有している。

今回調達した資金を活用して、全国主要地域での展開、タクシー車両数3,000台、ドライバー数1万人を目指す予定であるという。また、ライドシェア事業の立ち上げや、運行管理システム、ドライバー向けアプリ、利用者向けアプリなどのプロダクト開発を加速させていくとしている。

3位は経営管理クラウド「Loglass 経営管理」を提供するログラスで、シリーズBラウンドで70億円を調達した。

ログラスは、企業の経営データを効率的に管理・分析するためのクラウド経営管理システム「Loglass 経営管理」を提供している。同社は、「良い景気を作ろう。」をミッションに掲げ、企業の経営判断の精度とスピードを向上させ、経営資源の最適配分をサポートしてきた。シリーズAからの成長により、導入企業数は6倍以上に増加し、予実管理SaaS/PaaS市場でシェアNo.1を達成している。

今回の資金調達により、経営管理領域を超えて複数の計画領域に進出する「xP&A戦略」を展開し、AIを活用した「AI ERP構想」を実現する予定であるという。この構想では、データとAIを駆使して企業の経営リソースを最適に配分し、経営効率性を向上させることを目指しているといい、2027年4月までに提供プロダクトを20以上に拡充し、社員数を500名以上に拡大する計画だそう。

4位はバーチャル×音楽を軸に次世代エンターテインメントを創造するTHINKRで、50億円を調達した。

THINKRは、2007年にクリエイティブプロダクション「ANSWR」として設立されたスタートアップである。エイベックス・グループの子会社として活動し、クリエイティブ制作やアーティストマネジメント、バーチャルエンターテインメントの領域で成長を遂げてきた。同社は、音楽アーティストや映像クリエイターのマネジメント、自社IPの開発に注力し、社員数100名を超える規模に成長している。

今回の資金調達により、自己株式取得と借入金の返済に加え、今後の成長資金に充当する予定であるという。同社は、既存事業であるクリエイティブ開発やアーティストマネジメントに加え、ゲーム、アニメ、メタバース、AI × IP、体験型エンターテインメントなど、バーチャル領域での事業を積極的に展開するそう。また、新たな才能育成プロジェクト「THINKR NEXT ARTISTS DEVELOPMENT」も立ち上げる予定であるという。

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